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    歴史的勝利

    1月14日、アンフィールドでのマンチェスターシティ戦(試合結果は4-3でLiverpoolの勝利)は、その日のハイライト番組や全国メディアが一斉に「プレミアリーグのプロモーションにふさわしいクラシック」と絶賛した。今季それまで22戦無敗で、2位に15ポイント差で首位を独走するシティにLiverpoolが初黒星を与えたことや、攻撃力ではプレミアリーグのトップを争う両チームが期待通りのゴール・ラッシュで白熱した試合となったことで、「世界中のフットボール・ファンにプレミアリーグの魅力を披露した」と、イングランドのメディアは鼻を高くした。

    そして、両チームの地元紙のレビューは、必然的とも言える程に同期を取っていた。リバプール・エコー紙が、ペップ・グアルディオーラの試合後のLiverpoolに対する賞賛のコメントを好意的な文面でトップに掲げたのに対して、マンチェスター・イブニング・ニュース紙は、ユルゲン・クロップのシティへの絶賛をクローズアップした。

    「ユルゲン・クロップが『歴史的勝利』と表現した事実が、シティが大いに自信を得るべき実態の表現。ヨーロピアン・カップ優勝5回のLiverpoolの監督が、シティを破ったことの意味を多大なことだと語ったのだから」と、同紙は強調した。「シティは素晴らしいチームで、恐らくもう敗戦することはないだろうから、我々は誇るべきことをやった、とクロップは語った」。

    「内容的にはLiverpoolが圧倒的に優位だった。それなのに、クロップは4-3という僅差の勝利は正当だとすら言った」と、同紙はクロップを絶賛した上で、クロップのLiverpoolを褒めちぎった。「ペップは何度も言っていた。今の激戦プレミアリーグで無敗でシーズンを終えることは不可能に近く、必ず負けるだろう、と。その『不可避の敗戦』を食らった相手が、真っ向から攻撃してシティを制したのだから、シティ・ファンも納得する敗戦だった」。

    いっぽう、リバプール・エコー紙は、「Liverpoolが強かったから我々は負けた、とグアルディオーラは開口一番に相手チームを讃えた」と、グアルディオーラの言葉を引用した。「素晴らしい試合だった。Liverpoolは良いスタートを切り、優位に立った。その後は我々も調子を上げたが」。

    「我がチームにとっては今季初敗戦となった。しかし、それは我がチームが既にどれほどのことを成し遂げたか、ということの証明でもある。この敗戦は、これが現実なのだと肯定的に受け止めるべきだと思っている」。

    グアルディオーラは、シティはアンフィールドの大声援に押された、と敗因を語った。「ただ、我々が大声援にひるんでダメなプレイをしたのではなく、Liverpoolが良かったから負けた。それは、フットボールにとっても良いことだったし、我々にとってもプラスに働くという自信がある」。

    グアルディオーラの潔いコメントは、Liverpoolの地元紙とファンの敬意を引き出し、同時にクロップの言葉は、マンチェスターシティの地元紙とファンに拍手をもたらした。少なくないシティ・ファンが、「アンチ・フットボールに徹し、0-0狙いで来るチームに対して、クロップのLiverpoolはお手本を示した」と笑顔を浮かべたことが、クロップが「歴史的勝利」と表現した、この試合の意義を物語っていた。

    そんな中で、Liverpoolファンにとっては、純粋な「相手に対する敬意」に加えて、クロップが「歴史的勝利」と言った言葉のもう一つの意味をかみしめていた。

    「フィリペ・コウチーニョを取られたLiverpoolはトップ4の望みも断たれた、と世の中のアナリストが冷笑する中、クロップは『Liverpoolのシャツのために全力を尽くす』選手たちを指揮し、プレミアリーグ優勝ほぼ決定のチームに対して、正面から戦って勝った。それは、クロップと残された選手たちの『宣言』だった」。

    ベスト・プレイヤーに出て行かれる近年の負の連鎖を食い止め、選手がLiverpoolをキャリアの頂点と据えるステータスを名実ともに復元することをミッションの一つとして掲げて入ってきたクロップにとって、コウチーニョのぶり返しは痛かったし、その一人だったラヒーム・スターリングのアンフィールド訪問は、ファンにとっても歴史的な意味を持っていた。

    それだけに、昨年夏に£8mの移籍金で降格したハル・シティから入ってきたアンディ・ロバートソンが、全力で走りスターリングを手玉に取った果敢なプレイは、ファンの心を打った。

    「何度かボールを奪った時に、スタンドのファンが僕の名前をチャントしてくれた。あれを聞いて全身が奮い立った」と、ロバートソンは試合後のインタビューで語った。「これまでもずっと、全面的にサポートしてくれていたファンには感謝していたが、今日の試合は特別だった」。

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    待ちに待った新戦力

    プレミアリーグがクリスマスの過密日程に突入し、マンチェスターユナイテッドがレスター(試合結果は2-2)、バーンリー(試合結果は2-2)と立て続けの引き分けた時に、ジョゼ・モウリーニョが「マンチェスターシティの資力と互角に戦うには、あと£300mの戦力補強投資が必要」と唱えて、イングランド中の話題を独占した。

    直後に、ジェイミー・キャラガーが、「ペップ・グアルディオーラが記録を塗り替えまくっている(=ブロークン・レコード)傍ら、ジョゼ・モウリーニョは壊れたレコードのように(=ブロークン・レコード)振る舞い続けている。選手はそのままで監督を取り換えたとしたら、ペップはユナイテッドを今のシティの立場に引き上げただろう」と、モウリーニョにカウンターを与えた議論は、チームを問わず圧倒的多数のファンの同意を引き出した。

    「ペップはシティで、今の戦力を増強しながら長期的視野で獲得した選手や前監督から引き継いだ有望若手を育て、今後も勝ち続けるチームを構築してきたのに対して、モウリーニョはワールドクラスの選手を獲得して今勝てるチームを編成することに集中している。2-3年後のことを考えたやり方には見えない」というキャラガーの主張に対して、ユナイテッド・ファンの間でも「その通りだ」という反応が交された。

    ユナイテッドの目論見としては、サー・アレックス・ファーガソン引退を最後にリーグ優勝から離れている状況を食い止め、再び優勝争いの常連に復帰する土台作りのために、「3年目シンドローム(=就任2年目にリーグ優勝、その翌シーズンには内紛を起こして出て行く)」のリスクを承知しながらモウリーニョを監督として迎えた、とは誰もが指摘するものだった。「タイトル争いに復帰するためには、ネガティブなフットボールも我慢する」と、少なくないユナイテッド・ファンは本音を明かしていた。

    一方で、魅力的なフットボールで首位を独走しているシティに対しては、ひたすら羨望のため息が出ていた。

    Liverpoolファンも例外ではなかった。「チーム力を向上させるためには、戦力補強(トランスファー)よりもトレーニングが重要、と口癖のように語るユルゲン・クロップは、その意味ではペップと同じ信念を掲げている。開始地点の戦力に既に大きな差があったことと、戦力確保のための資金は制限なしという財力が、今のシティとLiverpoolの順位に反映している。でも、クロップの選手育成方針が実を結べば、対等な争いになるに違いない」と、クロップに対する信頼はゆるぎない一方で、現在のシティの優位に関しては疑問の余地はなかった。

    それだけに、12月末に、サウサンプトンが1月にフィルジル・ファン・ダイク放出の方向性を暗示したと同時に、シティが本腰を入れてファン・ダイク獲得に出るという噂が立ち上った時には、Liverpoolファンの間で、諦めの悲鳴が飛び交った。「他のチームならば、絶対にクロップのけん引力が勝つと自信がある。でも、シティは同じように有能な監督がいて、同じくセンターバック補強を急務としている。しかも、今季はもうリーグ優勝メダルが約束されているようなもの。両方から引っ張られれば、どちらを選ぶかは自明」。

    そして、ファン・ダイクのシティ入りが内定した、という噂を上書きするかのように、12月27日にLiverpoolがファン・ダイク獲得を発表した。

    「夏にサウサンプトンと決別した後で、代わりのセンターバックを取らなかったのは、ファン・ダイクを待つことに決めたからですか?」と聞かれて、クロップはニヤッと笑った。「その質問に対して回答して良いものかどうか、弁護士に相談します」。

    「ブラックプールの密会が実を結んだ」とジョークを言って笑いながら、Liverpoolファンは歓喜にむせった。「身長あり、ボール・テクニックが一流で、声を出して守りを仕切るリーダー。まさにクロップにぴったりのタイプで、しかも既にプレミアリーグ随一のセンターバックと評価される程の実績を上げているのに、まだ26歳と成長の余地がある。クロップの下で更に磨きがかかれり、チームを底上げする重要な戦力になってくれるに違いない」。

    かくして、クロップもファンも待ち焦がれた新戦力となったファン・ダイクは、1月1日の初出勤日に、LFC TVのインタビューで、期待通りの第一声を発した。

    「このクラブがビッグ・クラブだということに加えて、伝統と独特な文化があること。有能な監督と一流の選手がそろっているし、素晴らしいファンがいる。監督は選手の能力を最大限に引き出し、それを更に向上させてくれる人。この監督の下でもっともっと成長したいと思った」とファン・ダイクは、Liverpoolを選んだ理由を熱く語った。

    「アンフィールドはスペシャルなスタジアム。このスタジアムで、ホームの選手としてプレイする日が待ち遠しい」。

    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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