FC2ブログ

    2人の主将

    3月7日の週末の試合(対アーセナル)を控えて、ウエストハム主将のマーク・ノーブルが、地元紙ロンドン・イブニング・スタンダードのインタビューで、ファンに「お願い」を唱えた。オーナーの悪政に堪忍袋の緒が切れたウエストハム・ファンが、試合中にチャントやポスターで抗議を続けている状況は有名だが、それに対して、ファンから絶対的に支持されている「ミスター・ウエストハム」が、「チームを応援して欲しい」と訴えたのだった。

    「アンフィールドでの試合では、我々がリードしていた時に、スタンドのLiverpoolファンが凄い音量でチームを助けた。あの声援に、我々は圧倒させられた(試合結果は3-2でLiverpoolの勝利)」と、ノーブルは締めくくった。

    Liverpoolが、2月18日のCL(対アトレチコマドリード、試合結果は1-0でアトレチコの勝利)を皮切りに、ウエストハム戦を含む4試合で3敗と苦戦を続けた時に、全国メディアや中立のアナリストは、「調子という点では、唯一勝ったウエストハム戦も、内容的には負け試合だった。スタンドのファンが援護射撃して運(相手GKのミス)を呼んだ」と、Liverpoolの不調ぶりを指摘した。

    そして、直近の4試合中アウェイの3戦で全敗していたLiverpoolは、3月7日にアンフィールドでボーンマスを2-1と破り、連敗に歯止めをかけた。この勝利でアンフィールドでのプレミアリーグ連勝数は22となり、ビル・シャンクリー(1972年)の21を抜いてイングランド・フットボール史上最多となった。

    世間の事前予測は、「残留争い中で主力の負傷に苦しむボーンマスをアンフィールドに迎えて、Liverpool勝利以外の結果は考えられない」というものだった。

    しかし、「アンフィールドだから勝てる」という楽観説には惑わされず、選手たちに「勝つために全力投入」を促し、自ら失点を食い止める働きでチームをリードしたのが、ジェームズ・ミルナーだった。

    BTスポーツのハイライト番組は、マン・オブ・ザ・マッチに輝いたミルナーの動きをあらゆる角度から分析した。特に注目を集めたのは、たまたまBTスポーツのTVカメラに収録されていた、試合前のウォームアップの様子だった。ストレッチングしながら、ミルナーは選手たちに向かって宣告した。

    「ボールを奪われたら、直ちに奪い返す。今日の試合ではいかなる場面でも最速のペースで瞬時に動く。得点経過がどうあれ変らない。相手が得点すれば、我々も得点する。いかなることも気合を高めるきっかけだと思え」。ミルナーの言葉に、選手たちは真剣な表情で耳を傾けていた。

    この録画の後で、同番組のレギュラー解説者であるリオ・ファーディナンドが、真剣な表情で言った。「CLやプレミアリーグで優勝するような高いレベルのチームには、ミルナーのような存在は必須だ。ユルゲン・クロップは、ミルナーの後任となる選手をどうやって探そうかと頭を悩ませることになるだろう」。

    番組を見ていたLiverpoolファンは、「ミルナーが契約延長してくれて良かったと、改めて思った」と、ファーディナンドの言葉に深く頷いた。ミルナーが、これまで在籍したどのクラブよりもLiverpoolでの試合数および得点数が多くなったことは、ファンの間では折に付け話題になっていた。

    「誰の目にもマン・オブ・ザ・マッチというパフォーマンスだけでなく、試合中にレフリーに『物申した』行動を見て、ここ4試合に主将と副主将を欠いていた大きな穴を再認識させられたところだった。ウォームアップの場面を見て、目が熱くなった」。

    地元紙リバプール・エコーは、「4戦3敗の時に、『アウェイの要素』は誰もが口にしたが、不調の大きな原因は殆ど話題に上がらなかった」と指摘した。

    「この4試合で、主将のジョーダン・ヘンダーソンと副主将のジェームズ・ミルナーが二人揃って、殆ど出られなかったという事実は大きな不利となった。今のLiverpoolは、代表チーム主将や、前クラブで主将経験を持つ選手があふれている『リーダーのチーム』だが、それでも2人の主将の重要性は限りない」と、同紙は締めくくった。

    連敗を食い止めたボーンマス戦の試合後に、「今季のLiverpoolの勝ち数は通常ではない」と、ミルナーは語った。「優勝するチームでも、必ず負けることがある。僕自身は降格も経験しているから、どうやっても勝てないと感じることも知っている。試合に勝つということは本当に大変なことだ。全力を出し続けるしかない」。

    「今季のLiverpoolは異常なまでに勝ち続けているから、世間の目には『勝つことは簡単』と映る。それは間違いで、試合に出れば勝利を贈呈してもらえる、ということはあり得ない。自分たちが、勝つための仕事をしなければ勝利は得られない」。

    コメント

    非公開コメント

    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

    最新記事
    最新コメント
    リンク
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR