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    あの場所

    2月15日、Liverpoolはアウェイでノリッジ戦に1-0と勝ち、プレミアリーグ開幕26試合で2位に25ポイント差と、前代未聞の大差で首位に立った。中立のアナリストが、そのLiverpoolの強さの秘訣として、ある人は世界のベストGKを上げ、別の人がワールドクラスのセンターバックを主張した。フロント3の攻撃力、もしくはミッドフィールドの機動力を特記する声に交じって、オールラウンドの強さと結論付ける人もいた。

    そんな中で、ガーディアン紙が「Liverpoolの強さは、『あの場所』に起因している」という記事を掲げた。「ペップ・グアルディオーラは、『あの場所』と呼んだ。リオネル・メッシは、試合後に控室で涙を流した。アンフィールドが、対戦相手にそれほど恐れを与える『あの場所』になっている事象は、誰の目にも明らかだった」。

    同記事は、Liverpoolがアンフィールドで平均3得点を記録し、プレミアリーグでは2017年4月以来負けていない数字を引用し、4年前のWBA戦の出来事を振り返った。「96分の同点ゴールでWBAに2-2と引き分けた試合の後で、ユルゲン・クロップは選手たちを先導し、コップ・スタンドの前で手をつないでファンに挨拶をした。その行動は、ライバル・ファンに絶好のジョークのネタをもたらした。しかし、現在のLiverpoolの選手の中で、合計11人がアンフィールドで負けた経験がないという快挙は、最後に笑うのは誰かを示していた」。

    「クロップは、アンフィールドをチームが勝つための戦力の一つにした」。

    そして同記事は、「あの場所」として威力を発揮するアンフィールドを、大きくした現オーナーのFSGに対する評価も忘れなかった。「これまでにメイン・スタンドを7,000席増築したことに続き、2022-23季オープン予定でアンフィールド・ロード・スタンドの改築計画を発表した。実現の暁には、イングランドではマンチェスターユナイテッド、トットナムに次ぐ3番目の61,000席となるアンフィールドは、その増収が更に戦力増強につながるだろう」。

    「イングランドの多くのビッグ・クラブは、例えばハイバリー(※アーセナルの旧ホーム・スタジアム)の魔力を取り戻すために15年間、苦戦し続けているようアーセナルのように、近代的で豪華なホーム・スタジアムを自分たちの場所にすることが出来ずにいる中で、FSGは、『あの場所』の価値を見抜いていた」。

    折しも、地元紙リバプール・エコーが、9年前にLiverpool FCをFSGに売却したサー・マーティン・ブロートンが明かした当時のエピソードを掲載したばかりのことだった。

    その時点では、スタンリーパークに新スタジアムを立てて移転する計画があった中で、ブロートンは、決断を促すためにFSGをエミレーツ・スタジアムに連れて行ったという。「エミレーツ・スタジアムは、当時、誰もが絶賛するスタジアムで、唯一の例外がアーセナル・ファンだった」と、ブロートンは語った。

    「エミレーツ・スタジアムで試合を見たFSGは、アーセナル・ファンの気持ちを瞬時に理解した。そして、『これまで積み重ねた伝統と歴史を捨てるのは間違いだ』と、アンフィールドを増改築する計画に決めた」。

    2つの記事をきっかけに、Liverpoolファンの間で、4年前のWBA戦を振り返る自問自答が交わされた。「ライバル・ファンの嘲笑ははっきり覚えている。『WBAに引き分けて、まるでカップ優勝したかのように祝っている。Liverpoolはここまで落ちぶれた』と。でも、今では誰も笑っていない」と、あるファンがつぶやいた。

    「クロップは、人々の精神を強くすることが出来る人だ。選手だけでなく、ファンの精神力も鍛えてくれた。その前のクリスタルパレス戦(試合結果は2-1でパレスが勝利)で、82分の失点を機にスタンドのファンが黙って去って行ったことを、クロップは嘆いた。それに対して、ファンが立ち上がった」と、別のファンが言った。

    「あのWBA戦は、スタンドがピッチ上の選手たちと一体になって最後まで戦う、『あの場所』をしっかりと固めた最初の試合となった」。

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    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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