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    一足先のクリスマス・プレゼント

    12月12日のブレクシット総選挙は、保守党が365議席を取って圧勝、マージーサイドで圧倒的に支持が強い労働党は203を大敗に終わったことで、Liverpoolファンは一斉に頭を抱えた。いつもはチームの好成績の話題で盛り上がるファン同士の集いも、誰もが暗い表情でうなだれていた。そんな時に、翌13日の午前11時半に流れた、ユルゲン・クロップと、更に6時間後に続いたジェームズ・ミルナーの契約更新のニュースに、Liverpoolファンは、「昨日のショックが一気に軽減された!」と、異口同音に叫んだ。

    クロップは2022年までの契約を2024までに延長し、ミルナーは今季末までだったのが2022年までの2年間の延長だった。どちらも、ファンの間では契約更新を切望する声が折に付け飛び交っていたと同時に、圧倒的多数のファンが「無理かもしれない」と諦めていただけに、「クロップとミルナーの契約延長のニュースは、総選挙の痛みを消しはしないものの、相当に和らげてくれた。一足先のクリスマス・プレゼントを貰ったような気分だ」と、Liverpoolファンは歓喜した。

    ジョーク好きのミルナーは、「監督は、僕が契約更新にサインするまで待って、自分もサインしたということは明らか。そう考えると、僕の重要性が証明されたような気がする」と、ウィンクした。

    「さすがミルナーだ」と爆笑しながら、Liverpoolファンは感涙をこらえた。

    ミルナーは、2002-03季に地元のリーズ・ユナイテッドでプロ生活を開始してから、2004-2008年まで在籍したニューカッスルでは契約更新を拒否し、アストンビラへと移動した。ビラでは4年契約の半分を経過した時点で、2010年に多額の移籍金でマンチェスターシティに引き抜かれた。そして、マンチェスターシティでは、2015年に契約更新を拒否し、フリーエージェントとしてLiverpoolに入った。

    自他ともに認める「心のクラブ」であるリーズ・ユナイテッドを、クラブの財政難のために身を割かれる思いで去ってからというもの、行く先々でクラブの引き留めを振り払って新天地へと移ったミルナーは、Liverpoolでも契約満了と共に去るのではないかと、誰もが危惧を抱いていた。

    「リーズは昇格しそうだし、たぶんミルナーは、今季末でLiverpoolを去って、愛するリーズに戻るのでは?」という予測は、リーズ・ファンは期待を込めて、Liverpoolファンは辛い思いで、語り合っていたものだった。

    しかし、折に付けミルナー本人が契約更新を望む発言をしていたことは、これまで在籍したクラブでの最終シーズンの言動とは明らかに異なっていた。

    マンチェスターシティでは、ユーティリティ・プレイヤーとして様々なポジションで使われたことから、「本来のミッドフィールダーとしてプレイできるクラブに行きたい」と希望を掲げ、クラブの引き留めを振り払ったことは有名な話だった。それだけに、クロップが監督になってからはレフトバックで1シーズンを過ごした時には、シティ・ファンから皮肉な揶揄が飛んだほどだった。

    実際に、この夏に「補強が急務のポジションNo.1」として誰もが上げたのがレフトバックだった。Liverpoolのフルバック2人がプレミアリーグのベストということは、ライバル・ファンも羨望のまなざしで同意しているほどだった。それだけに、過密日程や負傷のためのカバーという人材は、ベンチに座る前提で入ることになる。有能な選手は、自分のキャリアを考えれば試合に出られるクラブを選ぶだろうし、ベンチを受け入れる選手を取ったところで、カバーとしての目的が果たせるかという疑問があった。それは、若手も育ってきているライトバックよりも、レフトバックの方が必要性は高かった。

    結果的に、大金を叩いて、リスクがあるレフトバックをベンチ要員として取るよりは、実績があるミルナーに期待する方向で、夏の移籍ウィンドウはクローズした。そのような事情も、ファンの間でミルナーの契約更新いかんを心配する声に拍車をかけていた。

    契約更新に際して、「チームが必要としているならば、どのポジションでも全力を尽くす」と、ミルナーは語った。そして、ニヤッと笑って付け加えた。「レフトバックでも」。

    ミルナーがレフトバックでプレイすることについて、クロップと「議論」した逸話は、本人がジョークを込めて明かしていた。そして、翌日のワトフォード戦(試合結果は2-0でLiverpoolの勝利)で、ミルナーがレフトバックでスタートと判明した時、ファンは、「クロップのミルナーへのクリスマス・プレゼント」とジョークを言って笑った。

    「ミルナーは、文字通り模範的なプロ。経験豊富で、健康管理がしっかりしているから、間もなく34歳になるというのに驚異的な体力を持つ。どのポジションでも安定したプレイが出来る貴重な戦力」と、Liverpoolファンは、ミルナーを称えた。

    「このクラブで4年半プレイしてきたことを光栄だと思っている」と、ミルナーは語った。「その間、このクラブがいかに変革し、前進してきたか、と考えると感慨もひとしお。監督コーチ陣やチームメートと一緒に毎日働くことを心から楽しんでいる。Liverpoolは本当に素晴らしいクラブだし、このチームでこれからもずっと前進し続けたい」。

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    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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