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    「何でもない」2位から立ち上がり1位を目指す精神力

    ビル・シャンクリーはLiverpool監督時代(1959–1974)に数々の名言を残したが、その一つである「1位は1位、2位は何でもない」は、勝つために全力を注ぐこと以外にあり得ない、まさに根っからの勝者シャンクリーらしい言葉だった。

    Liverpoolファンの間で繰り返し語られる中で、「シャンクリーの時代には、ヨーロピアン・カップ(CLの前身)は各国の優勝チームだけが出場できたなど、1位と2位の差は現在よりも大きかった」と、「2位」に価値を見出す意見は出るものの、いつも同じ結論に行き着いていた。

    「誰も2位のことなど覚えていない。フットボールでは、1位にならなければ『何でもない』真理は変わらない」。

    折しも、昨季CLで2位になったトットナムが、今季ホームでのCL初戦で、バイエルンミュンヘンに7-2と壊滅的な大敗を喫した後で、4日後のプレミアリーグでブライトンに3-0と敗れたことで、「何でもない」2位の厳しさがクローズアップされたところだった。実際に、「CL決勝戦でLiverpoolに負けたショックからまだ立ち直れていない」と、マウリシオ・ポチェッティーノが告白していた。

    2位から立ち上がることの難しさは、誰よりもLiverpoolが良く知っていた。リーグ優勝から離れている30年間で、リーグで2位で終わった翌シーズンに(※)、Liverpoolは、毎回CL出場圏外に陥落し、その後監督が解任されて一からチーム立て直しを開始するネガティブなサイクルを繰り返していた。
    ※1991年(監督:グレアム・スーネス、翌季6位)、2002年(監督:ジェラル・ウリエ、翌季5位)、2002年(監督:ジェラル・ウリエ、翌季5位)、2009年(監督:ラファ・ベニテス、翌季7位)、2014年(監督:ブレンダン・ロジャーズ、翌季6位)

    このサイクルはあまりにも有名で、前回の2014年にも、ライバル・ファンの間で「Liverpoolは、前例から見ても、1位上がるより5-6位下がると見る方が現実的」と、ジョークが流れたものだった。

    しかし、「2019年も同じ運命になるのか?」という、ライバル・ファンの予測は、プレミアリーグ2位決定の3週間後に立ち消えた。

    「97ポイント取りながらプレミアリーグ優勝に届かなかった、最終日の失意はとてつもなく大きかった」と、ジェームズ・ミルナーが振り返った。「その3週間後にまた(CL決勝で)イングランドのチームと対戦するのだと思うと、高い山を見上げているような気分になった」。

    そしてLiverpoolは、「何でもない」2位の失意を克服し、気力を立て直してCLで1位に到達した。

    10月8日、ユルゲン・クロップ監督就任4周年を迎えたインターナショナル・ウィーク中に、地元紙リバプール・エコーが特集記事を掲げた。

    「最初の記者会見で、ユルゲン・クロップはいくつかの約束を表明した。4年経った今、それらの言葉は全て実現されてきた」と、同紙は、懐疑心を信頼に変えたことや、4年以内に優勝杯を勝ち取った事例を並べた。「クロップは、1位になれなかった失意は絶望ではなく、次に1位を取るためのジャンプ台なのだと確信できる精神力を、選手たち、およびファンに植え付けた」。

    シャンクリー時代を体験しているベテラン・ファンは、真剣な表情で語った。「プレミアリーグ優勝を達成したら、クロップはLiverpoolのクラブ史上で、シャンクリーと同じレベルで語られるレジェンドになるだろう」。

    リバプール・エコー紙が締めくくった。「4年前にクロップは、1つだけ正しくないことを言った。『私はブラック・フォレスト出身の普通の人間。Liverpoolのクラブ史上に名を残している偉大な人物とは比較にならないノーマル・ワン』と」。

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    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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