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    塗り替えられた記録

    8月24日、アンフィールドで、Liverpoolはアーセナルに3-1と快勝し、プレミアリーグの3週を終えた時点で単独首位に立った。直後に、2戦2勝で100%の記録をストップされたアーセナルの地元紙フットボール・ロンドンが、「通常は敗戦から明るい要素を探すのは非常に難しいが、この試合ではアーセナル・ファンに純粋な笑顔を与える点が複数あった」と、失意を拭うべく記事を掲げた。具体的には、若手ジョー・ウィロックの成長と、この夏の大型新戦力として期待が寄せられているニコラ・ペペの活躍だった。

    「その過程でペペは、バロンドール候補のフィルジル・ファン・ダイクがプレミアリーグでそれまで50試合連続で守ってきた『ドリブルで抜かれたことがない』記録を破った」。同期を取るかのように、全国メディアが異口同音に「初めてファン・ダイクに頭痛を与えた」と、ペペを称賛する記事を掲げた。

    加えて、「この試合を見て、今季のアーセナルは、近年の弱点だった『トップ6のチームとのアウェイでの対戦で勝てない』傾向を打開するだろうと確信した」と、ガリー・ネビルが要点をまとめた。「Liverpoolの方がチーム力では飛躍的に上であることは明らか。しかしこの試合ではその差を感じさせないくらい、まとまったプレイを見せた。しかも、終盤には反撃の意欲を証明した」。

    かくして、果敢に戦ったアーセナルと、記録破りの勇士ペペに対する評価が飛び交う土台に、「Liverpoolのチーム力」が暗黙の了解のごとくささやかれた。

    いっぽう、その試合に先駆けてマンチェスターユナイテッドは、1989年以来初めてオールド・トラッフォードでクリスタルパレスに敗れるという、31年ぶりに不名誉な記録を塗り替えた(試合結果は1-2でパレスの勝利)。「プレミアリーグは開幕したばかりだというのに、残り33試合(※35試合のうち直接対決を除く)を、またシティを応援する日々を迎えるのかと思うと、目の前が真っ暗になる」と、ユナイテッド・ファンが悲痛な叫びを上げた。

    「ペップ・グアルディオーラとユルゲン・クロップは、いつまでいるのだろう?」と、ユナイテッド・ファンの間で、半泣きの議論が交わされた。「現在の契約は、ペップは2012年まで、クロップは2022年までだと聞いた。ペップは元々、長くはいないと宣言していたし、昨季の優勝争いで心身ともに疲れ果てたから、今季末にも退陣を考えているという噂を聞いた。クロップもこれまでの経歴を考えると、ずっといるとは思えないし、契約満了後は1年くらい休むという話も出ているが、ペップよりは先までいるだろう。いずれにせよ、二人がいなくなるまではプレミアリーグのトップ2は予約席だと思って諦めるしかない」。

    たまたまこの週のマッチ・オブ・ザ・デイは、放送開始55周年を迎えていた。1964年8月22日が初回放送だった同番組は、記念すべき初試合として、アンフィールドでのLiverpool対アーセナルを選んだのだった。当時は地元出身のビートルズが音楽界を一世風靡していたこともあり、コップ・スタンドが「シー・ラブズ・ユー」の合唱で両チームの選手を迎える場面が記録ビデオで流された(試合結果は3-2でLiverpoolの勝利)。

    「当時は1回の番組で1試合のみを放映するというシステムだったので、放送の順番が議論になることはありませんでした」と、番組の55周年を紹介したガリー・リネカーは、にっこり笑って言った。「でも、今日の番組では、その初回と同じ対戦となったこの試合がトップを飾ることに、異論を唱える人は少ないでしょう」。

    いつくかの記録が塗り替えられた今週のプレミアリーグの、この試合で、ジョーダン・ヘンダーソンがLiverpoolの主将としての100試合目というマイルストーンを達成したことは、Liverpool陣営内を除くと殆ど話題にならずに終わった。

    「CLの優勝杯を掲揚した時は目が潤んだが、今月のスーパーカップ(対チェルシー、試合結果は2-2、PK戦の末Liverpoolが優勝)の時には、貫禄を付けたヘンドの姿に誇りを感じた。ヘンドが掲揚する3つ目のトロフィーは何だろうと楽しみで仕方ない」と、Liverpoolファンの間では、主将のマイルストーンを祝う言葉が飛び交った。

    「先週のサウサンプトン戦(試合結果は2-1でLiverpoolの勝利)で、サブで出てきた時に、アームバンドを渡そうとしたファン・ダイクに、手を振って辞去したヘンドを見た時には、さすがだと感激した。常にチームのことだけを考えている、典型的な主将だ」。

    その記録を達成したアーセナル戦の試合後のインタビューで、ヘンダーソンは、「強豪相手に良いプレイで3ポイントを収めたのだから、チームとしては満足すべき結果。反省すべき点は、失点したこと。あれは僕が確実にクリアすべきだった。しかし、プレミアリーグは全ての試合が困難だから、チームの試合結果としては満足だ」と、自分の記録はどうでも良いとばかりに、チームのことだけを語った。

    「我々として今やるべきことは、しっかりリカバリして、今週のトレーニングで全力を注ぎ、次のバーンリー戦で勝つための準備を整えること」。

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    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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