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    待ちに待ったプレミアリーグ開幕

    7月31日、カーディフシティ監督のニール・ウォーノックが、今季末で引退する声明が伝えられた。70歳のウォーノックは、イングランドの複数のクラブで40年間に渡って監督を勤めた経歴を持ち、その過程で、Liverpoolファンにとって忘れられない強烈な記憶を作った。

    それは、2007年にシェフィールドユナイテッド監督だったウォーノックが、自分のクラブが降格したことで、「ラファ・ベニテスが残留争いのライバルとの対戦で、主力を休ませて臨んだから」と非難したことだった。その5月にCL決勝(対ACミラン)を控えていたLiverpoolは、プレミアリーグのフラム戦で若手と控えの選手を投入し、1-0と破れた。その3ポイントで降格を免れたフラムに代わり、ウォーノックのシェフィールドユナイテッドが降格する羽目に陥ったのだった。

    「Liverpoolのチームの中で、少なくとも2人は名前も聞いたことがない選手が出ていた。ベニテスのような外国人監督は、シェフィールドユナイテッドのことなどどうでも良いのだろう」と、ウォーノックは辛辣だった。その後、クリスタルパレス(2007-2010,2014)、QPR(2010-2012)監督としてLiverpoolを対戦した時にも、毎回、2007年のエピソードがメディアを飾った。

    しかし、昨2018-19季にカーディフ監督としてプレミアリーグに戻ってきたウォーノックは、それまでの40年間の監督生活で「比較にならない程の最悪の悲劇」に見舞われた。残留争いに勝ち抜くためにストライカー補強が急務だったウォーノックは、1月にクラブ史上最高の£15mの移籍金で、ナントからエミリアーノ・サラを獲得した。正式発表後に就任するためにフランスからカーディフへと向かったプライベート・ジェットが墜落し、ほぼ2週間に及ぶ捜索の末に帰らぬ人となった。

    「何度も引退を考えた」と苦悩を語ったウォーノックは、カーディフの選手たちも精神的なショックから立ち直れず、カウンセリングを受けていることも明かした。その後、カーディフとナントの両クラブのトップ間で移籍金の支払いを巡って法的な争いに入った時にも、経営陣のお金の争いとは一線を画し、「エミリアーノ・サラは私の選手だった」と、感情を率直に表現したウォーノックに対して、カーディフ・ファンは全面的な賛意を表明した。必然的にカーディフの降格が確定した時にも、スタンドのファンは、盛大な「オンリー・ワン・ニール・ウォーノック」チャントでウォーノック支持を宣言した。

    今回の引退声明を報道したリバプール・エコー紙は、「昨季10月にアンフィールドで語ったウォーノックの予測は100%正しかった」と特筆した。それは、4-1とLiverpoolが快勝した試合の後で、プレミアリーグの優勝争いについて質問されたことだった。その前に既にマンチェスターシティとの対戦(試合結果は5-0でマンチェスターシティの勝利)を終えていたウォーノックは、歯に衣を着せずに語った。

    「今のLiverpoolは素晴らしいチームだ。ただ、正直言って、そのLiverpoolでも、マンチェスターシティは強すぎる。私の見解では、LiverpoolはCL優勝の可能性の方が強いと思う。恐らく、今季はLiverpoolがCLで一世風靡するだろう」。

    その時点のLiverpoolは、CLグループステージで3試合(2勝1敗)を終えた段階だった。結果的にCL通算で4敗しながら優勝に輝いたLiverpoolの運命を、ウォーノックは正確に見通していたのだった。

    6月1日の決勝戦から2か月余りの8月4日に、プレミアリーグの幕開けとなったコミュニティシールドで、Liverpoolはマンチェスターシティに先制されながら後半には圧倒的優位に立って1-1と同点で90分を終えて、PK戦で5-4と僅差で涙をのんだ。

    昨季終了がマンチェスターシティより2週間も遅れた分、プリシーズン戦でも7戦3勝1分3敗と調整に苦戦していたLiverpoolが、ふたを開ければプレミアリーグで僅か1ポイント差で優勝を逃した、その時点まで追いついたのだった。

    「前半はポジショニングのミスもあったが、調整の状況を考えると仕方ないと言える。そして、後半は調整がさらに進んだように動きが良くなった。何より、闘志を見せて戦ったわが選手たちを誇りに思う」と試合後の記者会見で笑顔で語ったユルゲン・クロップの言葉に、Liverpoolファンは一斉に頷いた。

    「昨季を終えた時点で、この夏の移籍ウィンドウで最も重要なことは、主力を全員引き留めることだと思った。その実現がほぼ確実となった上に、昨季は負傷で棒に振ったアレックス・オクスレイド・チェンバレンやアダム・ララーナが調子を取り戻してきた。1年前に入ったばかりで、昨季は順応のシーズンとなったファビーニョとナビ・ケイタが本格的な戦力として名を上げてきたし、若手も育ってきた」。

    今のLiverpoolを見て、ウォーノックはどう予測するだろうかと微笑しながら、Liverpoolファンは誰もが力強く宣言した。「開幕戦が待ち遠しい」


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    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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