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    ユルゲン・クロップの(嬉しい)誤算

    5月12日、マンチェスターシティが14連勝の98ポイントで連覇を決めたプレミアリーグ最終日に、Liverpoolの地元紙リバプール・エコーが「ユルゲン・クロップの大きな誤算」という見出しで、2015年10月の監督就任初記者会見での言葉を振り返った。「3-4年後に私がこの場にいるとしたら、それはタイトルを取っているということ。そうでなければ私はスイスにいるだろう」。つまり、クロップは、3-4年以内に優勝できなければクビになって、プレミアリーグよりはプレッシャーの少ない外国リーグで職探しをすることになるだろう、と予測していたのだった。

    「その公約の期限が訪れた今、クロップは自分の誤算を認めた」と、同紙は明るい文面で続けた。「Liverpool以外の人々が皆、口をそろえて『即成功が必須』と脅かすし、私もこんなに時間を与えてもらえるとは思わなかった」とクロップは苦笑したという。「それは、Liverpoolのトップ陣がクロップを全面的に信頼し、就任4年足らずの間で達成した業績を高く評価し、長期計画の実現をバックアップするという態度の証明」と、同紙は説明した。

    エコー紙が突っ込みを入れたクロップの言葉は、Liverpoolファンの間でも折に付け話題になっていた。「昨季はシティより25ポイント差の4位だったチームが、最後までタイトル争いを続けた末に97ポイントを達成した。しかも、CL決勝という大きなチャレンジが残っている状態でプレミアリーグのシーズンを終えることが出来るとは、誰も夢にも見なかったような偉業。クビどころか契約更新すべき」と、ファンは笑顔で頷き合った。

    「Liverpoolのお蔭で我々はここまで勝ち続けることが出来た」と、ペップ・グアルディオーラはライバルチームの健闘を讃えた。

    中立のアナリストは、優勝チームへの祝福と同時に、Liverpoolへのねぎらいを唱えた。その多くは、「97ポイント取りながら優勝できないとは」という同情が込められていた。

    そんな中で、1990年代からクロップを密接に取材してきた、友人でもあるドイツ人ジャーナリストが、「ユルゲン・クロップがLiverpoolを再建の道へと導いた」と、前向きな見解を語った。

    「バルセロナ戦の大逆転勝利(試合結果は4-0、通算4-3でLiverpoolが決勝進出決定)の後のクロップは、私がこれまで見たことがない程に大きな満足を浮かべていた。その中には、2012年にドルトムントがバイエルンを抑えてリーグとカップの二冠に輝いたシーズンも含んでいる。もちろん、あの大勝利がトロフィーを勝ち取ったわけではなかった。ただ、クロップの目標が実現したからこそできたものだった」。

    2015年10月に、Liverpoolのオーナーが監督候補者に「Liverpoolを再建させるためには何が必要か?」と質問を投げかけた。カルロ・アンチェロッティは3人のワールドクラスの選手のリストを提示したのに対して、クロップは「ファンを呼び起こすこと」と答えたという。

    バルセロナ戦では、アンフィールドのスタンドとピッチの上の選手たちが文字通り一体となって、ミラクルを起こした。「アンフィールドのヨーロピアン・ナイトは有名だが、今回はこれまでにも増して強力な声援だった」と、中立のアナリストが口をそろえた。

    「クロップは、Liverpoolで本当にスペシャルなものを築き上げた。選手たちとスタンドとの強力な一体感を作った張本人はクロップだった。それは、最後のリーグ優勝以来30年足らずの年月の中で、最も顕著な信頼関係と言えるもの」と、エコー紙は断言した。

    「その間、数回のタイトル争いの後で、たがが外れたかのように不調に落ち込み、スター選手が沈む船から逃げ出すかのように出て行った末に、元の木阿弥となった、その暗雲のサイクルを見てきたファンは、クロップが作り上げた強力な団結は、これから更に実を結ぶことを確信している」。

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    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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