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    エル・クラシコとリーグカップ決勝

    2月24日のマンチェスターユナイテッド対Liverpoolは、勝てば3ポイント差の首位に返り咲くLiverpoolと、監督交代以来絶好調のマンチェスターユナイテッドの対決と、事前の注目はいつも以上の盛況だった。同日にウェンブリー・スタジアムでは今季最初のトロフィーとなるリーグカップ決勝戦があったが、両地元紙は「カップ決勝より注目度が高い必勝のリーグ戦」と豪語した。

    2つのビッグ・マッチの地元紙であるマンチェスター・イブニング・ニュース紙(のユナイテッド・ページ)は、「シティ対チェルシーのカップ決勝よりも、イングランドのトップを争う二大名門クラブの直接対決の方が重要」と、隣人に対する当てつけも含んでいたのに対して、リバプール・エコー紙は表現を変えながらも全く同趣旨の記事を掲げた。「両クラブ合計でリーグ優勝38回という伝統だけでなく、文字通りグローバル・ファン・ベースを誇る二大名門クラブの対決は、地球の裏側のファンが、早朝1時のキックオフの試合に熱い声援を送るほどの世界的なビッグ・マッチ」。

    ダビド・デヘアが、「この対戦はイングランド版'エル・クラシコ'」と、母国スペインの注目戦の呼称を引用したとほぼ同時に、ユルゲン・クロップも「エル・クラシコ」と表現した。

    ふたを開けると、その2つのビッグ・マッチは、どちらも大差ない程に見どころの少ない試合内容で、どちらも無得点に終わった。

    ただ、PK戦4-3でマンチェスターシティが優勝したリーグカップ決勝戦では、ピッチ上の話題の乏しさとは対照的に、ヘッドラインを独占する事件が起こった。

    PK戦が見えてきた試合終幕、チェルシーのGKケパ・アリサバラガが足を痛めて手当てを受けた時に、交代必須と判断したマウリツィオ・サリが、控えのウィルフレード・カバジェロを投入しようとしたのに対して、アリサバラガが交代を拒んだのだった。怒って一時的にトンネルの中に走って行ったサリが、結局方針転換してアリサバラガ続投となった。TV観衆も含めて数百万人が注目する中で起こった事件だった。

    試合後に、サリが「行き違いのため発生した出来事」と説明したが、世間の驚愕は収まらなかった。「サリは火消しのために『行き違い』と言ったが、あの現場を見た人は真相に気付いている。監督が交代を命じたのに、選手がそれを拒否するような異常事態は前代未聞。アリサバラガは直ちにクビになるべき」と、アナリストが一斉に紛糾し、第三者のファンも同意した。「アリサバラガは言語道断だが、チェルシーの選手が誰もアリサバラガを引きずって交代させようとしなかったことも驚いた」。

    チェルシーがこのところリーグで6戦3敗、その中にはボーンマスに4-0、マンチェスターシティにリーグで6-0と大敗を喫する成績不振に苦しむ中で、サリのクビいかんが注目を集めていた。少なくないメディアが、リーグカップ決勝で勝つ以外に続投はないだろうと憶測を書き立てていた。

    「そんな時だから、サリはどうせクビになるだろうとばかりに監督の権威をないがしろにしたのでは?昨年夏に£71mの大金を叩いて獲得した世界一高いGKを、クラブがそう簡単にクビにするとは思えないから、プレイヤー・パワーを振り回したように見える」と、中立のファンは批判の声を高めた。

    Liverpoolファンも例外ではなかった。特に、9月のスタンフォードブリッジでの1-1の引き分けの試合後に、サリがユルゲン・クロップと肩を抱き合って笑顔で挨拶し、「プレミアリーグでは素晴らしい監督とたくさん出会ったが、中でもユルゲン・クロップが最も息が合う」と語った姿が好印象を植え付けていただけに、Liverpoolファンの間では、サリに対する憂慮の声が飛んでいた。

    「良いフットボールを推進し、人格者でもある伝統的なサリが、簡単に監督のクビを取り換えるクラブの体質に潰されないことを祈っている」。

    その試合で、サリはタッチラインでのクロップの言葉を明かした。「同点ゴールが出る前に、自分のチームが負けているというのにクロップは『素晴らしい試合だ』と言った。その通り、両チームが良いプレイをしたと思う。結果は引き分けだったが、私は試合内容に満足している」。

    さて今回のエル・クラシコの方は、試合後の監督同士の挨拶で、クロップはオーレ・グンナー・スールシャールに「ひどい試合だったね」と、対照的な感想を語った。

    前半にユナイテッドが負傷のため3人の交代枠を使い切り、後半は「負けない戦略」に徹した中で、ロベルト・フィルミーノを負傷で失ったLiverpoolは攻撃のテンポを立て直せずに終わった。

    「クロップの言葉通り、Liverpoolの攻撃陣は今季最悪とも言えるほど不発に終わった」と、リバプール・エコー紙は冷静だった。「その『ひどい試合』の後で、アウェイ・スタンドのファンが、チーム一行を盛大な拍手で見送ったのは、ファンはクロップが『ひどい試合』の原因を突き止めており、その対処を確実に施すことを確信しているから。残り11試合のカギは自分たちが握っている。監督と選手、そしてファンが、お互いに信頼し合って力を合わせることが必要だと知っているから」。


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    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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