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    帰ってきた戦力

    12月16日、Liverpoolはアンフィールドでマンチェスターユナイテッドに3-1と勝って、今季プレミアリーグの無敗を維持した。5日前にナポリに1-0と勝ってCLラスト16進出を達成したことで、選手は自信を強めたところでの宿敵ユナイテッド戦は、事前予測を裏付けるかのような一方的な内容となった。

    「恥ずかしい程にレベルの差を見せつけられた」と、ユナイテッド陣営のアナリストは一斉に酷評し、「ジョゼ・モウリーニョが来季もユナイテッドの監督を続けるとは到底思えない」と、全国メディアも同調した。ユナイテッドの地元紙は、試合終幕にコップ・スタンドから盛大に沸き起こった「モウリーニョをクビにしないで!」チャントについて、自嘲的な文面で取り上げた。

    「ユナイテッドがモウリーニョをクビにするわけがない」と、ユナイテッド・ファンが冷ややかな口調で引き取った。グローバル・クラブであるユナイテッドの成績不振に際して、いわゆる「キーボード・ウォリアー」と呼ばれているファンが「モウリーニョのクビ」を求める声をインターネット上で張り上げる中で、地元のファンは、モウリーニョに対する拍手を毎試合続けていた。

    「スタンドでは監督と選手を全面的に支持するのがファンの務めだから、我々は無条件に拍手を送る。ただ、それは意見の反映ではない。意欲が感じられないプレイに、根本的な対処が必要だと誰もが感じている。ただ、クラブはお金本位でチームの成績は二の次。CL出場が数字上不可能になった時に、その方が解約金が安くなるからという理由で、手遅れになるまで待って監督をクビにする。クラブのトップが変わらない限りはサーカス状態が続くだけ」と、毎試合応援に駆け付ける忠誠なファンは嘆いた。

    「今のLiverpoolは何もかも正反対。最初はくびをかしげたような選手でも、ユルゲン・クロップの下で数か月鍛えられた結果、一流のスターになった例は数えきれず、チーム全体がやる気と自信に満ちている。何より、選手が全面的に監督を信頼し、監督のフィロソフィーを実現しようと必死になっているところが、我々ユナイテッド・ファンにとっては羨ましくて仕方ない」。

    いみじくも、プリシーズンの合衆国ツアーで、Liverpoolがユナイテッドに4-1と快勝した試合の後で、地元紙リバプール・エコーが「ユルゲン・クロップとジョゼ・モウリーニョの大きな違い」について書いた記事が、ユナイテッド・ファンの嘆きを裏付けていた。

    それは、ナサニエル・クラインとアントニー・マーシャルが同時期に息子さんが誕生し、両選手が出産のためツアーを出て帰国したことに対する両監督の対極的な反応だった。

    「モウリーニョが、『マーシャルは、無事、健康な息子さんが生まれたことが分かったので、本来はツアーに戻ってきて試合に出ているべきなのに、休んでいる』と、不満を隠さなかったのに対して、クロップはニコニコ笑って言った。『リトル・クライニーの写真を見せてもらったが、元気な息子さんで私も嬉しい。暫くクライニーは忙しいだろう。人生にはフットボールよりも重要なことはあるが、出産は間違いなくその一つ』。その後、マーシャルが出て行くことを考えているという噂が飛んだことは、Liverpoolの選手からは明るいやる気の言葉しか聞こえない実態と同じく、誰もが予測できたこと」。

    そしてクラインは、昨季は腰の負傷のためほぼシーズンを棒に振った後で、ライトバックのポジションをこなす若手が急成長したこともあり、今季はリーグカップ戦(対チェルシー、試合結果は1-2でLiverpoolの敗退)のみの出場に留まっていた。負傷者続出のため、急遽ユナイテッド戦でプレミアリーグ初試合となったクラインは、まるでコンスタントに出場していたかのような安定したプレイで90分をこなしたのだった。

    「クライニーは今季初のプレミアリーグ戦だったし、90分持たないだろうと思っていた。でも、私の予測は間違いだったというくらいに、素晴らしいプレイをした」と、クロップは目を細めた。「選手層が厚いということは、全員が順番制で試合に出られる仕組みではなく、選手全員が、チャンスが来れば実力を発揮すべく日々備えること。その意味では、クライニーはまさにお手本」。

    クロップの称賛に、ファンは深く頷いた。「クラインは1月にカーディフに行くのでは?という噂が飛び交っていたところで、クリスタルパレス時代にデビューさせてもらった監督のニール・ウォーノックに引っ張られて行くことは本人にとっても良いことかと思っていた。でも、そんな噂を吹き飛ばすかのように、Liverpoolの負傷の危機を救うために立ち上がってくれた」。

    「負傷前にはレギュラーとして活躍していた選手が、回復後にチャンスを待つ立場に置かされるのは、内心穏やかではないだろう。それが、必要が出た時にはいつでも高いレベルを発揮してくれるのは、文字通り選手全員が監督の方針に賛同して一丸となっているから」。

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    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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