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    試合に勝つのはストライカー、リーグ優勝を取るのはディフェンス

    11月初旬にLFC TVがバラエティー番組として放映した、フィルジル・ファン・ダイクとジョー・ゴメスのQ&Aが、ファンの間で大きな話題になった。これは、2人にそれぞれ質問し、片方の回答をもう一人の方が当てるという、お馴染みの仕組みだった。自分の容姿で最も自信がある部位はどこか、など爆笑ものの質問の中で、誰もがほろりと来たのが、お互いの第一印象についての証言だった。

    「とても共通点があり、息がぴったり合う」と笑顔で語ったファン・ダイクに対して、「フィルジルが入ってきて、初めて会話した瞬間に波長が合った」とゴメスは頷いた。そして、二人が同時に「僕はクリーンシートが大好きだ」と声を高めたエンディングに、ファンは一斉に拍手を送った。

    「これから何年にも渡ってLiverpoolのセンターバックを固めるだろう二人は、ピッチ内外で絶妙のコンビを発揮している」と、ファンは、事前予想を大きく上回る安定したプレイを見せているゴメスの成長ぶりについて特に、感心を新たにした。

    2015年夏に、18歳で、地元ロンドンの2部のチャールトンからLiverpool入りしたゴメスは、即座に才能が認められてファーストチーム入りしたが、わずか7試合で、イングランド・アンダー21代表チームでの試合中にじん帯を痛めてしまった。その後、復帰直後に再度負傷するという憂き目に合い、ほぼまる2年を棒に振った上に、昨季末にも負傷でシーズンを終えるという失意の連続だった。

    この夏に、ファン・ダイクの長期的なパートナーとなるべくセンターバック補強の話が出た後で立ち消えた時には、ユルゲン・クロップがゴメス起用を計画しているという説が飛び交った。それに対して、ファンの反応は二分していた。「ゴメスの才能は明らかだし、元々センターバックを目指していたことは周知の通り。しかし、長期負傷の後で、しかも、これまでフルバックで出ることが多かった21歳の経験不足の若手が、いきなりワールドクラスのファン・ダイクのパートナーとは、荷が重すぎるのでは?」という、懸念の声は少なくなかった。

    ふたを開けると、ゴメスはファン・ダイクのパートナーとして定着し、シーズンの4分の1が過ぎた時点で、Liverpoolのディフェンスの中で最もスピードがある(時速21.6マイル)という統計すら出ていた。

    10月のインターナショナル・ウィークでは、イングランド代表チームでも(対スペイン、試合結果は3-2でイングランドの勝利)、マン・オブ・ザ・マッチの活躍を披露したゴメスの評価は、全国的に高いレベルに定着していた。

    そんな中で、デイリーメール紙のインタビューでゴメスが明かした「Liverpool入りした時に、初めての一人暮らしで苦労した意外な事実」が、ゴメスに対するイングランド中の好印象を更に後押しすることになった。チャールトン時代は7人家族の自宅から通っていたゴメスは、Liverpool入りして一人暮らしとなり、料理が出来ずレトルト食品に頼っていた。それを聞いたメルウッドのシェフが、毎日お弁当を包んでくれることになった。

    幼なじみのガールフレンドがロンドンの大学に在学中で、週末だけ会いに来る生活だった間は、ゴメスは毎日お弁当を持ってアパートに帰り、一人寂しく暮らす日々だったという。「毎日2食同じものだったけど、すごく美味しかったし、クラブやスタッフがそうやって僕を助けてくれたことがとても嬉しかった」と、ゴメスは笑顔で語った。今は、大学を卒業したガールフレンドと二人暮らしになり、お弁当も不要になった。

    私生活の苦労と同時に、長期にわたった負傷とリハビリの苦悩も断ち切ったゴメスは、「我がチームのフロント3は世界一と言われる程の高いレベルにある。ディフェンスがそのくらい評価を受けるようになれば、どれほど強力なチームになるか」と、力強く語った。

    「試合に勝つのはストライカー、リーグ優勝を取るのはディフェンス」とは、フットボール界の定説にもなっていた。ゴメスの言葉に、ファンは異口同音につぶやいた。「21歳のゴメスからこんな言葉が聞けるとは感激だし、そのような有能な若手を発掘して、指導して一人前の選手に育てる方針を実践する監督がいる限り、このクラブの将来は明るい」。

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    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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