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    ユルゲン・クロップ監督就任3周年

    今季2度目のインターナショナル・ウィークに突入した10月8日に、Liverpoolは重要なマイルストーンを通過した。まる3年前のこの日、ユルゲン・クロップが監督として正式に発表されたのだった。地元紙リバプール・エコーのクロップ3周年記念特集記事は、クロップの就任挨拶の風景で始まった。

    「ユルゲン・クロップは、代表チームから帰還してくる選手が全員揃うまで待って、メルウッドで就任の初顔合わせを行った。そのミーティングには、食堂のスタッフから警備員まで、文字通り全スタッフが出席した。選手たちにクラブのスタッフ一人一人を紹介し、クロップは言った。『全員の名前を知ってるかい?君たちが試合で頑張れるために、日々支えてくれている人たちだ』と」。

    クロップが重要視した「チーム」には、選手はもちろん、クラブのスタッフに加えて、ファンも含まれていたことは誰もが知るところだった。

    「私が来た時のLiverpoolは、大きな問題を抱えていた。誰もが自信を失くして暗い表情だった。自分たちが勝てるとは思っていなかった。それは違うのだ、と私は思った。まず最初にやるべきことは、懐疑心を信頼に変えることだった」。

    クロップの言葉は瞬時にファンに浸透した。それまでチームやクラブに対する意見が分裂していたファンは、誰もが懐疑心を捨ててクロップに対する信頼で一致した。「どこを見ても誰もが笑顔を浮かべている。ファンの分断を解消しただけで、既にクロップは大きな業績を達成した」と、ファンは頷き合った。

    「私はマジシャンではない。一気にプレイを飛躍的に上昇させることはあり得ない。私のやり方は、1歩1歩努力して固めて行くこと。それは時間がかかるが、必ず良くなるのだと忍耐力を持って欲しい」と、クロップは語った。

    その言葉が実現されたことは、誰もが確信していた。「クロップのLiverpoolは、プレミアリーグで最も面白いフットボールをするチーム。それは、一時はダメだと見られていた選手の潜在能力を引き出し、若手を育て、加えて効果的な戦力補強でクロップが達成したこと」と、ファンの意見は一致していた。

    それは、Liverpoolファンのひいき目ではなかった。このインターナショナル・ウィーク中に、チェルシー監督のマウリツィオ・サリが母国イタリアのメディアのインタビューで語った言葉でも同期を取っていた。

    9月29日のスタンフォードブリッジでのプレミアリーグ戦で、ファイナル・ホイッスルの直後に、サリがクロップと交わした会話の内容について明かしたものだった(試合結果は1-1)。

    「10分前に、タッチラインでクロップと言葉を交わした。我がチームが1-0で勝っていたのだが、クロップは笑顔で言った。『いい試合だと思いませんか?』と。私は『まったくそう思う!』と言った。だから、同点で終わった後で、クロップとはまるで旧友のように抱き合った。たとえ同点ゴールが出てなかったとしてもクロップは同じことをしただろうと確信している」。そして、サリは締めくくった。「プレミアリーグにはこのような、フットボールの魅力がある」。

    試合後の記者会見で、サリがLiverpoolとクロップを絶賛し、今季のプレミアリーグの優勝候補だと断言したのに対して、イングランドのジャーナリストが「あなたはLiverpoolが29年間リーグ優勝していないことを知っていますか?」と質問した。「知っている。何故そんな長いこと優勝してないのか、私には理由はわからない。ただ、それは過去のことで、今のLiverpoolは勝てるチームだと思う」と、サリは真顔で答えた。

    最後のリーグ優勝が29年前であるだけでなく、最後のトロフィー(2012年のリーグカップ優勝)が、既に7年前のことだった。トロフィー無しで終わった監督はロイ・ホジソン(2010年)が最初だったことからも、Liverpoolのクラブ史が栄光と同音異義語であることは明らかだった。

    それだけに、全国メディアや中立のアナリストの中では、「今季、もしLiverpoolがまたもトロフィー無しで終わったら、クロップのプレッシャーは非常に大きくなるだろう」という声は少なくなかった。

    Liverpoolファンは、9月26日にリーグカップ敗退し、まず最初のトロフィーの可能性を早々に失ったことに内心がっかりしながらも、「トロフィーの有無に関わらず、クロップの下でのチームの向上は明らか」と、クロップ支持は揺るがないものだった。

    「10-20年後に振り返って、トロフィー無しで終わった監督の中ではユルゲン・クロップが最も良いフットボールをした、と言われたくない。Liverpoolは、トロフィーは必ず取れると確信している。ただ、それはいつかは分からないが」。クロップはメディアのプレッシャーを認識していた。

    「正直、3年前にはここが自分のクラブだと瞬時に思ったわけではなかった。それまで14年間ドイツで監督をやってきて、ドイツのフットボールは隅から隅まで知っていたが、イングランドでは何もかも新たな発見だった。ただ、それは私が望んだ新たなチャレンジだった。このビッグ・クラブでチャンスを貰えたことに感謝しているし、光栄だと思っている」。

    「3年経って、私は監督として遥かに成長したし、今は心からここが自分のクラブだと思っている」。

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    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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