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    最初のトロフィーの壁

    9月8日の週末はインターナショナル・ウィークで、多くの選手たちはそれぞれの代表チームへと出かけて行く。そして、既に代表引退しているジェームズ・ミルナーは、その週末を利用してスコットランドのセルチックに行き、アストンビラ時代のチームメートだったスティリアン・ペトロフと共同のチャリティ・マッチを主催する。

    そのチャリティ・マッチのプロモーションの一環で、9月1日の注目戦だったオールドファーム(※グラスゴーのセルチックとレンジャーズのダービーの呼称。試合結果は1-0でセルチックの勝利)に関して意見を問われたミルナーが、「熱烈なセルチック・ファンとして生まれ育ったアンディ・ロバートソンから毎日、セルチックのことを聞かされているうちに、レンジャーズひいきになった」と、持ち前のユーモア精神で語り、Liverpoolファンの間で爆笑が沸き起こった。

    これは、2016年のリーグカップ準々決勝でアンフィールドにリーズ・ユナイテッドを迎えた試合のマッチ・プログラムで、ユルゲン・クロップが、熱烈なリーズ・ファンとして有名なミルナーをネタにして書いた言葉だった(試合結果は2-0でLiverpoolの勝利)。

    「リーズ・ユナイテッドのことはドイツにいた頃から知っていたが、Liverpoolに来てからというもの、ミルナーから毎日聞かされているのでより詳しくなった。ミルナーは毎日、リーズがいかに素晴らしいかを教えてくれる。質問したわけでもないのに、ノン・ストップで喋り続けるというのが真相だが」。

    Liverpoolファンは、ミルナーのパロディに笑いながら、同時にチーム内の明るい雰囲気を再確認した。「ロバートソンとミルナーが仲が良いことは有名だが、クロップも巻き込んでジョークを散らす様子は、今のLiverpoolのチーム・スピリットを象徴している」。

    セルチックでのチャリティ・マッチで、ミルナーのチームの監督として一役担うことになっているクロップが、ファンの予測を裏付けた。「ミルナーは根っからのリーダー。その経験と実績は、若手が多い選手たちの指針になっているだけでなく、監督に対しても堂々と自分の意見を表明する程」。

    折しも、9月1日のレスター戦で(試合結果は2-1でLiverpoolの勝利)、ミルナーはLiverpoolでのリーグ通算100出場を記録し、プレミアリーグの3クラブで100出場の偉業を達成した。更に、ボビー・フィルミーノのゴールでリーグ通算アシスト数を80とし、プレミアリーグの歴代記録ではデビッド・ベッカムと並ぶ7位となった。

    「ミルナーのことは、ドルトムント時代にマンチェスターシティと対戦したことがあったので、もちろん知っていた。ただ、シティでは主としてウィンガーだった。私がLiverpoolに来た時に、ミルナーがセントラル・ミッドフィールダーのポジションを求めて入ったということは聞いた。ただ、シティでの記憶もあり、本人の意思にそぐえなかった。レフトバックで使うことになった時、本人からはっきり希望を伝えられながらも、チームにとって必要だったから敢えて続行した」。

    そして、ミルナーが最も希望していたセントラル・ミッドフィールダーに戻ってからというもの、特に今季は開幕4試合で4スタートと、クロップにとって不可欠な戦力となった。

    「ミルナーは今、32歳?フットボール界では36-37歳まで第一戦でプレイし続ける選手がいるが、ミルナーは間違いなくその一人。他のポジションでプレイした経験も含め、日々良くなるよう努力し続ける、模範的なプロ」。

    クロップの言葉にファンは大きく頷き、「ミルナーは試合の度に良くなって行く。リベナ(※)がドーピングで禁止されても驚かない」と、ジョークを言って笑った。
    ※リベナ:英国の人気ソフトドリンク。昨季ローマでCL決勝進出を決めた時に、BTスポーツのアナウンサーから「イタリアの赤ワインで祝杯を上げる?」と聞かれて、アルコールは飲まないミルナーが、「いや僕はリベナの瓶の上で大の字になる方がいい」と笑って答え、イングランド中で大流行したネタだった。

    ミルナーが2015年にフリーエージェントとしてLiverpool入りした時、「キング・ケニーの背番号7をミルナーが着る」と、心配を唱えたファンも少なくはなかった。それから3年経った今、誰もがミルナーを重要な選手として語るようになった。

    「たぶん、最後はリーズ・ユナイテッドに帰るだろう。その時は盛大に送り出したい。そして、引退後にコーチとして戻ってきて欲しい」。

    ファンの絶対的な支持と監督の信頼を受け、若手選手から尊敬されているミルナーは、「トロフィーを取ることが必須」と、今シーズンの目標を語った。Liverpoolに来て以来、リーグカップ、EL、CLと決勝で敗れる失意を経験し、全員が意欲に燃えている上に£170mの戦力補強で更に自信を付けている現在、狙いは一つ上ることだと、ミルナーは宣言した。

    「最初のトロフィーの壁を破ることは最も難しい。しかし、それを突破すればその後はどんどんより良いものが続くようになる」。

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    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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