FC2ブログ

    カルト・ヒーローとして去った'ラッギー'

    プレミアリーグは、この夏の移籍ウィンドウを開幕前にクローズするという措置を採用した。それは、移籍交渉が続いている選手を抱えるクラブが「試合に集中できない」デメリットを訴え、賛成多数で決定したものだった。

    ふたを開けると、プレミアリーグは8月9日17:00に期限を迎えたが、ヨーロッパの他のリーグはまだオープンしていたため、「外国のクラブに選手を取られても、その代わりの戦力を補強できない」別のジレンマに陥ることになった。下位ディビジョンのクラブがローンで獲得する期限は今回の変更対象から外れたが、プレミアリーグに関しては、取る方に関してはローンも規制を受ける。

    そのため、来季は再び8月31日に戻すという案が浮上し、現時点では、昨年は開幕前のクローズに賛成だったうち2クラブが既に「元に戻す」派に鞍替えしたという。

    ともあれ、この夏の戦力移動の可能性はまだ残っているという状況は現実だった。

    Livepoolでは、8月17日のイタリア・リーグの移籍期限日にラグナル・クラバンのカリャリ入りが決定し、早速そのデメリットを受けることになった。

    昨季終幕の負傷者続出状況の記憶が生々しいファンは、一斉に頭を抱えた。しかし、この決定の背景には、クラバン本人が「試合に出られるクラブ」を求めて希望したものだったことが判明し、誰もが納得せざるを得なかった。

    「2016年夏に、£4.2mの移籍金でアウクスブルクから来たクラバンは、2年間の在籍中に53出場を記録した。比較的短い期間の滞在で、華々しい活躍の思い出をいくつも作ったとは言えないが、Livepoolファンにとってはガリー・マッカリスター(2000–2002)、ジミ・トラオレ(1999–2006)、イゴール・ビスチャン(2000–2005)らと並ぶ『カルト・ヒーロー』となった」という地元紙リバプール・エコーの記事に、圧倒的多数のファンが深く頷いた。

    ファンの間で'ラッギー'のニックネームで親しまれていたクラバンは、常に真っ先にチームシートに乗る存在とは言えなかったが、必要とされた時には必ず期待に応える堅実なベテラン選手だった。

    「試合に出られなくても文句ひとつ言わず、試合に出れば常に安定したプレイを見せてくれた模範的なプロ。ラッギーのような選手は貴重な存在。でも、確かにLiverpoolではレギュラーではないとしても、ベンチで出番を待つだけというのはもったいない実力と経験を持つ選手。32歳という年齢を考えると、試合に出られるクラブに行くという決断はもっともだと思う。残念だが、気持ちよく送り出したい。新天地での成功を祈っている」。

    ファンがクラバンについて語る時、必ず話題に出るのが、昨季のアウェイのバーンリー戦の94分の決勝ヘッダーだった(試合結果は2-1でLiverpoolの勝利)。それは、クラバンにとってLiverpoolでの唯一のゴールとなった。

    劇的な新年プレゼントでトラベリング・コップに絶叫をもたらしたクラバンは、試合後のインタビューで、ポツリと語った。「3ポイント取れたことは非常に重要だった。でも、僕はスポットライトを浴びるのは慣れてないので」。

    エコー紙の記事は、「ヒーローになった時でも、バックページを埋めるに十分なネタを与えてくれないような無口な選手だった」と、温かいジョークを込めて、クラバンの控えめな人柄を象徴するエピソードを続けた。「クラバンが最も流ちょうに喋った場面の一つが、Liverpool入りが決まった直後の母国メディアのインタビューだった」。

    「宝くじに当たったような気分」と、クラバンは頬を染めて語ったという。「僕は、生まれ故郷のビリャンディで、墓地でボールを蹴り始めた。そして、選手生活のファイナル・ステージに至って、フットボールの天国というべくクラブでプレイするチャンスを得た」。

    超スター選手が名を連ねるプレミアリーグでは、比較的目立たない移籍として入ってきたクラバンは、誰からも心からの感謝を込めた激励を受けて、胸を張って出て行くカルト・ヒーローになった。

    コメント

    非公開コメント

    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

    最新記事
    最新コメント
    リンク
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR