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    アレ、アレ、アレ

    8月10日に開幕したプレミアリーグは、昨季のトップ5(※)が揃って3ポイントを確保する順当なスタートを切った。
    ※マンチェスターシティがアーセナルに2-0、マンチェスターユナイテッドがレスターに2-1、トットナムがニューカッスルに2-1、Liverpoolがウエストハムに4-0、チェルシーがハダースフィールドに3-0と勝利。

    得失点差で首位に立ったLiverpoolは、多額の戦力補強投資でプリシーズン戦を好調に終えて、「マンチェスターシティにチャレンジする最有力候補」と騒がれる中で、そのプレッシャーを払いのけての快勝だった。

    さっそく母国ドイツのメディアから「£175mの戦力補強のプレッシャー」について問われたユルゲン・クロップは、「本音を言うと、私はそんな大金は使いたくなかった」と苦笑した。「しかし、1月にフィリペ・コウチーニョを取られた収益金(£146m)を、貯金として寝かせておくべきだったとは思わない。確かに、大金の移籍に関する私の考え方は変化した」。

    「私がやるべきことは、Liverpoolをより強いチームにすることだから」。

    クロップの言葉に、Liverpoolファンは誰もが深く頷いた。クロップが、マインツでもドルトムントでも、少ない予算で獲得したり育成した戦力を、最大限に生かして勝てるチームを作る監督だったことは誰もが知るところだった。しかし、今のプレミアリーグで、しかもクロップの就任時点で既に大きな差を付けられていたチームを追い抜くためには、それなりの投資は必要だった。

    「収益金を差し引いたネット支出では、まだまだマンチェスターの2クラブの足元にも及ばない。そして、クロップが見込んだ選手がクロップを慕って来てくれれば、£175mの投資は必ず実を結ぶ」。

    それは、アリソンが「レアルマドリードを蹴ってLiverpoolを選んだ理由」として、証言した言葉でも裏付けられていた。「監督やチームメートはもちろん、クラブ全体が僕を心から歓迎してくれて、頼りにしてくれていると確信できたから」。

    そして、ファンが今のチーム一行を、やさしい笑顔を浮かべながら見守る背景には、チーム内の良い雰囲気だけでなく、チームとファンとの近さがあった。

    アンフィールドでの唯一の試合となったプリシーズンの最終戦(対トリノ、試合結果は3-1でLiverpoolの勝利)を、「ファミリー・デイ」としてチーム一行とファンとの交流の場としたのは、クロップだった。その日は朝の10:00から市内各地で、試合前にはアンフィールドのファミリー・パークで、コンサートなど様々なイベントを催し、試合後には選手がスタンドのファンにサインや写真のサービスを実施した。2時間もの時間を割いて、ファンと対話を楽しんだ選手たちの姿があった。

    「我々チーム一行は、ファンが応援してくれるからこそ頑張れる。そのファンに対して、感謝を伝えてこれからも一緒にやってくださいとお願いするためのイベントにすることは、昨季のうちに既に計画し始めたこと」と、クロップは語った。

    「地元の人々が、チケットが入手できないなどの理由で試合に来れない、という話を読んだ。そのような人々に楽しんでもらえる場を作りたかった」。

    クロップのファンに対する「感謝」は、言葉だけではないことは誰もが知っていた。クロップが、昨季2月のCLラスト16(対ポルト、試合結果は5-0でLiverpoolの勝利)で生まれ、依頼スタンドの定番になったファンの「アレ、アレ、アレ」を、Youtubeで見るほどに気に入っていると、何度も話題にしていたことは周知の通りだった。

    そして、合衆国ツアーのマンチェスターユナイテッド戦(試合結果は4-1でLiverpoolの勝利)の前に、地元リバプール出身のミュージシャンであるジェイミー・ウェブスターが、現地のサポーターズクラブの集会で生演奏を披露していた時に、クロップが飛び入りして「アレ、アレ、アレ」を合唱した場面は、ファンの間でクロップ人気を更に高めた。

    「ジェイミーとは面識はなかったが、彼が『アレ、アレ、アレ』を歌うのをYoutubeで何度も見て知っていた。ライブをやっている時にいきなり入って行っては失礼じゃないかと心配したが」と、クロップは笑った。

    「私はあの歌が大好きだ。あの歌を演奏するジェイミーを、いつも感激して見ていた。本人が私を見て、あんな風に喜んでくれたことは、ひたすら嬉しい」。

    かくして、クロップがチームに明るく自信に満ちたプレイを引き出し、ファンと一緒に戦って初戦を勝利で飾った翌日に、スイスのメディアが、何の脈絡もなくジェルダン・シャチリの移籍の「裏話」を掲げた。

    「シャチリの違約金がわずか£13mと知って、他のビッグクラブが獲得に動いた。しかし、クロップの動きが早かったことに加えて、監督の『人間としてのマナー』が決め手となった」。

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    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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