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    エージェント・ボビー

    7月19日の夜、GKとして史上最高金額の£66.8mで、ブラジル代表GKアリソンのLiverpool入りが正式に発表された。それまでのGKの最高金額が£34.7m(2017年にベンフィカからマンチェスターシティに移籍したエデルソン)と、記録を大幅に塗り替える大型移籍だっただけに、その日のスポーツニュースのヘッドラインを独占した。

    プレミアリーグのトップ6のライバル・チームがいずれも安定したGKを誇っていたのに対し、Liverpoolが常にGKの問題を抱えていたことは周知の通りで、その解決策として昨季の早い時期から既に、ユルゲン・クロップがアリソンに熱い視線を向けていたことは、誰もが知るところだった。そして、その障壁が破格の移籍金だったことも同様に明らかだった。25歳の若さと実績を考えると、「記録を塗り替える移籍金」は想像に難くなかったが、それに加えてローマは「2017年夏にモー・サラーを安く出し過ぎた(£36.9m)反省」から、アリソンに対しては、その分積んで£70mという「Liverpool価格」を計画しているという噂が流れた。

    1月の移籍ウィンドウで「Liverpoolがアリソン獲得に動く」という噂が出回った時に、地元紙リバプール・エコーは、「1月には動かない、と、Liverpoolがアリソンのエージェントに通告した」と、火消しに奔走した。

    Liverpoolファンは、「エコーが否定しているのだから無理だろう」と、冷静な頭では諦めていた傍ら、アリソンへの憧れは膨らむ一方だった。

    そんな時、ブラジル代表チームで合流したボビー・フィルミーノがSNSにポストした、アリソンと仲良く肩を並べる写真が、Liverpoolファンの想像力を刺激した。「エージェント・ボビーがアリソンをLiverpoolにスカウトしようと誘惑に動いている」というジョークがファンの間で流れ、「エージェント・ボビー」のニックネームはあっという間に定着した。

    5月末に、青天の霹靂のようにファビーニョ獲得が発表され、「ロベルト(フィルミーノ)から良い話ばかり聞かされた」と語った時、歓喜に沸くLiverpoolファンは、「エージェント・ボビーが、とうとうディフェンシブ・ミッドフィールダーを連れてきてくれた」と、一斉に叫んだものだった。

    そして、7月17日に、とあるLiverpoolファンがジョークでポストした、Liverpoolのシャツにアリソンの顔を合成したフォトショップを、アリソンのエージェントが「Like」した事実が発覚し、ファンの間で大騒ぎになった。最初は火消しの意図でその話を報道したエコー紙が、事態が急変したことを伝え、それから2日で移籍決定となった。

    驚きと感激で言葉を失っていたLiverpoolファンの前に、フットボール界のレジェンドであるペレの心温まるコメントが続いた。

    「アリソンへ。おめでとう!君がロベルト・フィルミーノの隣で輝くことを期待している。私は君を応援しているからね」。

    感激にむせるLiverpoolファンは、「エージェント・ボビー」に対する支持を更に深めた。

    「移籍が現実的になる前から、ロベルトとは話をしていた」と、アリソン本人が、ファンの「エージェント・ボビー」説を裏付けた。「正式に交渉が開始してからは、彼にいろいろアドバイスを貰った。Liverpoolのクラブや地元のこと全てに対して、良いことばかりだと教えてくれた」。

    「彼はファンの人気者で、チームメートからも信頼されている人材。そして、彼は僕に言った。『Liverpoolに来れば、君もきっとファンから応援してもらえるよ』と」。

    ファンがどれほど熱烈にアリソンを歓迎するか、という点では「エージェント・ボビー」の言葉は疑う余地はなかった。

    同時に、アリソンが単に実績だけでなく、その人格と選手としての態度がファンの支持に値することを、ユルゲン・クロップが裏付けた。

    「アリソンは、W杯後の夏休み中に、休み返上でメディカルに来てくれただけで私としては嬉しかった。でも、本人が夏休みを切り上げて、そのままメルウッドに残ってプリシーズン・トレーニングに合流したいと言い出した時には、今のうちにじっくり休んでおかないとプレミアリーグの長いシーズンを乗り切れないと言って追い返さざるを得なかった」と、クロップは微笑んだ。

    「一日も早く新しいチームメートと一緒にトレーニングしたいから、と真剣な表情でお願いされた」。

    結局、アリソンは「エージェント・ボビー」と一緒のタイミングでプリシーズン・トレーニングに合流することになったという。

    「CL準決勝で対戦して、Liverpoolの素晴らしさを実感したことはきっかけの一つであることは真相。しかし、それ以外の試合でもクロップのフットボールを見て、知っていた」と、アリソンはLiverpool入りの抱負を語った。

    「このような栄誉あるクラブのシャツを着ることは、まさに夢の実現。このクラブで、これから更に歴史を作るチームの一員として、その歴史に入る選手になりたい」。

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    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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