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    リーダー資質

    このインターナショナル・ウィーク中の3月22日に、代表引退したアリエン・ロッベンの後任として、フィルジル・ファン・ダイクがオラン代表チーム主将に抜擢されたというニュースが、Liverpoolファンに歓迎と笑いを湧き起こした。それは、2月に代表監督に就任したロナルド・クーマンが、ファン・ダイクを選んだ理由として、「適齢だし、ビッグクラブでプレイしていることから、代表主将という大役の適任者だと判断した」と説明したことがウケたものだった。

    「元エバトン監督が、憎き『レッド〇〇』をビッグクラブと称賛したことで、激怒するエバトン・ファンの顔が浮かぶようだ」と、Liverpoolファンは腹を抱えて笑った。

    同時に、クーマンの「私はサウサンプトン時代からファン・ダイクを知っているから、必ず信頼に応えてくれると確信している」と語った言葉に、誰もが深く頷いた。

    折しも、3月13日にそのクーマンの2代後のサウサンプトン監督だった、マウリシオ・ペジェグリーノの解任が発表された余韻がまだ残っていたところだった。8試合を残した時点で17位と、残留争いが苦しくなっていたサウサンプトンが、最後の手段として賭けに出たことは誰の目にも明らかで、驚く人は殆どなかった。

    その時に、サウサンプトンのレジェンドであるマット・ル・ティシエが、「1月にファン・ダイクを出した後で、穴埋めの戦力を補強しなかったことよりも、ファン・ダイクを1月まで引き留めたことの方が傷を深くした」と語った言葉が痛々しかった。「クラブとしては、財政的な向上の中で、『毎年ベスト・プレイヤーを出す』慣習を断ち切ることでファンの悲願に応えようという意図だったが、結果的には内部のゴタゴタが尾を引いて、成績不振をもたらしてしまった」。

    それだけ大きな存在だったファン・ダイクが、1月にディフェンダーの移籍記録を塗り替える£75mでLiverpool入りした時に、Liverpoolファンは誰もが歓声を上げると同時に、「スーパースターとは言え、1人がディフェンスの全問題を解決すると期待するのはあまりにも酷」と、自重に努めた。

    しかし、それからプレミアリーグ7試合を終えた時点で、Liverpoolファンの間で、「以前は、相手チームがコーナーを得た時には心の中で祈ったものだったが、今では安心して見ていられるようになった」という会話が交わされるようになった。数字の上でも、ファン・ダイクが来てからは、失点が40%近く減っていた。

    「GKとレフトバックも交代し、両ポジションは明らかに向上した。だから、『1人がディフェンスの全問題を解決した』と言うのは語弊がある。ただ、ファン・ダイクは、空中戦を制するなど戦力面での増強もさることながら、常に声を出してバックフォーを絞めるリーダーとしての存在感が大きい。近年のLiverpoolのディフェンスに致命的に欠けていたものがリーダーシップだっただけに、結果的には『1人』が目に見える差異をもたらした」。

    Liverpoolファンのその印象は、クーマンより一足先に、ファン・ダイクのリーダー資質を見抜いた監督となった、ニール・レノンが裏付けた。3月6日のポルト戦(試合結果は0-0、通算5-0でLiverpoolが勝ち抜き)のプレビュー番組で、その前のニューカッスル戦(3月3日、試合結果は2-0でLiverpoolの勝利)でマン・オブ・ザ・マッチの活躍を見せたファン・ダイクについて語った言葉だった。

    「セルチックに来て、1週間トレーニングを見た後で、私はファン・ダイクに言った。『このクラブにいる間、楽しんでプレイしなさい。君はここには長くはいないだろうから』と」。

    その時のレノンの言葉通り、CL準々決勝進出の主役としてひのき舞台に立つスーパースターになったファン・ダイクは、自分を見込んでくれた監督への感謝と、Liverpoolでの決意を語った。

    「Liverpoolに来て、チームメートや監督コーチ陣を始めとする全ての人々のお蔭で、すぐにこのクラブに溶け込むことができた。ただ、負傷明けで完全でない状態で入って来たということもあり、向上し続けるために毎日全力で勤めている。まだまだ伸ばす面は多いと思っている」。

    「僕は、このクラブの全てが好きで、このクラブに来たいと思った。アウェイの試合で熱心に応援してくれるファンの姿も、そしてこの伝統と歴史の詰まったスタジアムとホーム・スタンドのファン。チームメートは一流選手揃いだし、気さくな人柄ばかりで明るい雰囲気に満ちている」。

    「そして、監督はもの凄く素晴らしい人。勝てるチームを作るための資質を備えている人。このクラブでプレイできることを心から誇りに思っている。そして、このクラブであらゆる栄誉を勝ち取るために全力を尽くす」。

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    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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