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    12分間の独占スピーチ

    3月16日の昼前にCL準々決勝組み合わせが発表となり、イングランドから勝ち残った2チームであるLiverpoolとマンチェスターシティの対戦が決まった。イングランドのメディアは、エティハド・スタジアムでの2戦目の前にプレミアリーグ優勝が決まっている可能性が高いシティが、今季唯一敗戦を喫したアンフィールドでの4-3の余韻を掘り起こし、「どちらが勝っても興奮ものの試合になることは確実」と持ち上げた。

    その数時間後に、ジョゼ・モウリーニョが、翌日のFAカップ戦(対ブライトン)の記者会見で爆弾発言を出した。BBCは「CL準々決勝組み合わせのビッグ・ニュースをわき役に追いやって、ヘッドラインを横取りすることができるのはモウリーニョしかいない」と、皮肉交じりの説明付きで、その驚愕の「12分間の独占スピーチ」を報道した。

    「こんにちは。私は生きてますよ」という挨拶で始まった「12分間の独占スピーチ」は、ブライトン戦の試合前の記者会見というよりは、3日前のセビーリャ戦(試合結果は1-2、通算2-1でセビーリャが勝ち抜き)の試合後の記者会見を再開したものだった。

    いわく、モウリーニョが監督に就任した2年前に『引き継いだ』ユナイテッドの戦力は、シティ監督が2年前に引き継いだ戦力と大きな差があったので、現在のチーム力の差は監督の仕事の差ではない。「私がユナイテッドを去った後で、後任監督はネマニャ・マティッチやロメル・ルカクを引き継ぐ」と、自分の業績を自慢した。

    ユナイテッドの現戦力に関しては、来季プレミアリーグ優勝するためには更に多額の投資が必須と断言し、「セビーリャの何人もの選手が私が自分のチームで使いたい選手」であり、現在のユナイテッドの選手は「もっと成長する必要がある」。つまり、セビーリャに負けたのは(前任監督から引き継いだ)ユナイテッドの戦力が劣っていたからであり、モウリーニョは何ら責めは負わない、ということだった。

    この「12分間の独占スピーチ」に、ユナイテッド・ファンは蜂の巣をつついたような騒ぎになった。「これまでは賛否両派に加えて、保留派が3分の1ずつくらいだったが、今回で保留派から否定側に回った人は多い。3年シンドローム(※直近のモウリーニョの実績から、2年目でリーグ優勝した翌シーズンに内紛を起こして3年でクビになる事象を指す)があっても、その前にリーグ優勝を奪還してくれればと、様々なネガティブな要素も我慢してきたが、もう限界だ」。

    ライバル・ファンの間でも、「モウリーニョの『3年目の破壊』が2年目に繰り上がった」という意見が飛び交った。「選手を公の場で個人攻撃し、ファンの声援が乏しいと不満を言い、先日はクラブの敗戦経歴を強調し、勝てない責任を自分以外の全てに擦り付けている。PSGから誘いが来ているという噂があるが、モウリーニョはPSGに行くためにユナイテッドをクビになろうとしているように見える」。

    Liverpoolファンも例外ではなかった。「すでに£300m近い戦力補強をした上に、勝てるチームにするにはあと£200m必要という言い分の背景には、モウリーニョは、ペップ・グアルディオーラやユルゲン・クロップのように『選手を育てて戦力を増強する』という信念がないから、即戦力を調達することしか考えない」。

    「クロップが監督でいてくれて、我々は恵まれているとしみじみ思う」。

    折しも、クロップからLiverpoolファンに対する感謝の言葉が出たところだった。3月17日のワトフォード戦(試合結果は5-0でLiverpoolの勝利)の試合前のインタビューで、地元紙リバプール・エコーに語ったものだった。「オールド・トラッフォードで、3000人のLiverpoolファンが、75,000人のホーム・スタンドのファンの10倍の音量で声援してくれた。試合前、試合中、そして最も重要なことに、試合後も(試合結果は2-1でユナイテッドの勝利)」。

    「チームが最も必要としていた時に、ファンが激励をくれた」。

    「負けた試合の後で、あのような声援をくれたファンの姿は、私が監督になって以来最大という程の印象を与えてくれた。このような人たちがサポートしてくれるクラブの監督を勤めれれる誇りと同時に、この人たちのためにも栄誉を勝ち取らなければいけないと、気を引き締めなおした」。

    クロップの言葉に、トラベリング・コップは笑顔を交わした。「クロップが、スタンドで我々がクロップの歌を歌うを嫌がることは承知だが、何とか我々の気持ちを伝えたい。シーズン最後のアンフィールドでクロップのモザイクを作るのはどうだろう?シーズン1回だけなら、クロップも受け取ってくれるのでは?」

    これに対して、別のファンが首を横に振った。「それは絶対NG。クロップは、自分よりチームが大切だから、あっさり却下されると思う。たぶん、クロップが去る時だけは許されるだろう。その時はNGとは言えないだろうから」。

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    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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