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    外部に対する「怒り」を燃やし続ける

    3月3日の週末のプレミアリーグは、トップ6の中で勝ち組と負け組がきっぱりと分かれた。マンチェスターシティが1-0とチェルシーを破り、優勝決定までのカウントダウンを着実に進めた試合では、シュート数わずか3(オン・ターゲット0)のチェルシーが「残留争いのチームならさておき、チャンピオンがバスを停めてかかった」と猛批判を浴びた。

    そのシティにリーグカップ決勝(試合結果は3-0)、リーグ戦(試合結果は3-0)と大敗を食らった後で、ブライトンに2-1と連敗を喫したアーセナルは、「アーセン・ベンゲル引退論」に拍車をかけた。

    いっぽう、ニューカッスルに2-0と勝って、月曜日まで試合がないマンチェスターユナイテッドを一時的に抜いて2位に浮上したLiverpoolは、ハダースフィールドに2-0と勝って2ポイント差で4位に付くトットナムと並ぶ「勝ち組」だった。

    前週のウエストハム戦(試合結果は4-1でLiverpoolの勝利)の後で、「トップ4争いに有利になった」と誘導尋問を受けたユルゲン・クロップは、「集中力と強い意欲を維持して残り日程を乗り切ることが重要」と、真顔で宣言した。「今日は良いプレイができた、と喜ぶのではなく、外部に対して怒りを燃やし続けなければいけない」。

    ニューカッスル戦でマン・オブ・ザ・マッチに輝いたアレックス・オクスレイド・チェンバレンが、試合後のインタビューで「外部に対する怒り」について質問されて、「怒るのは主将のヘンドに任せている」と、笑った。

    「僕はいつも笑顔を浮かべている人間だから。サディオ(マネ)とモー(サラー)も同じく、いつも笑っている。でも、笑っていても怒っていても、やるべきことは何かということを皆同じく理解している」。

    実際に、オクスレイド・チェンバレンがいつも笑顔を浮かべている様子は様々な場面で見られた。Liverpoolのクリスマス時期のコミュニティ・サービスの一環で、フィリペ・コウチーニョとロベルト・フィルミーノと一緒に3人で地元小学校の子供たちを訪れた時も、オクスレイド・チェンバレンの明るい笑顔が光った。それは、3人が隠れていることを知らない子供たちに、LFC TVのスタッフが「Liverpoolの中で最も好きな選手は誰?」と質問して、正直な回答を引き出す、という企画だった。

    言うまでもなくブラジル人コンビは大人気で、ほぼ全員が2人の名を上げた。そして、「オクスレイド・チェンバレンは?」という質問に、ほぼ全員が首を横に振った。そこで3人が登場して子供たちを驚かすと、中にはオクスレイド・チェンバレンを見て、面と向かって「もっと頑張らないと好きになれないよ!」と言った子どもすらいた。

    番組の締めくくりで、オクスレイド・チェンバレンは(ジョークで)「ロンドンの子供たちは僕のことを好いてくれていたのに、リバプールの子供たちは冷たい」と泣くふりをして、3人が爆笑した。

    当時のオクスレイド・チェンバレンは、まだLiverpoolのフットボールに順応しつつある最中だった。子供たちからダメ出しされ、世間はまだ半信半疑だった中で、前向きだった。「Liverpoolに来て良かったとしみじみ感じている。監督から信頼されているということは心強いし、ファンとチームメートに支えられて、監督の信頼に答えようと意欲が沸く」。

    クロップを慕ってLiverpoolに来たことは、既に明かしていたことだった。「あんな風に監督から肩を抱かれて、毎日のトレーニングで厳しく指導してもらえたら、きっと自分はより成長できるだろうと思った」。

    そして、その時の言葉をピッチの上で実現できるようになったオクスレイド・チェンバレンに対して、世間の嘲笑は驚きに変わった。

    「クロップのところで半年修業した途端に『すごく良い選手』になったオクスレイド・チェンバレンを見ていると、ベンゲルは引退すべき段階に至ったと確信できる」とは、第三者であるはずのマンチェスターユナイテッド・ファンの言葉だった。

    「その背景には、いつも笑顔を浮かべているオクスレイド・チェンバレンが、内心で『外部に対する怒り』を燃やしているから」と、地元紙リバプール・エコー紙は明かした。

    それは、昨年夏に£35mでLiverpool入りした時に、アーセナルのレジェンドであるティエリ・アンリと、イングランド代表で共に働いた大先輩ガリー・ネビルが、異口同音に語ったネガティブな言葉だった。「オクスレイド・チェンバレンの良さがどこにあるのか、今だにわからない」と言ったアンリに追従して、ガリー・ネビルは「アーセナルにとっては非常に良い移籍」と冷笑した。

    「彼らの言ったことは、もちろん意識していた。尊敬する先輩から言われたと思うと、正直ショックだった」と、オクスレイド・チェンバレンは振り返った。

    「人はみな意見を持っているし、自分の意見を表明する権利がある。ただ、僕はLiverpoolに来て、僕を信頼してくれている監督の下で一生懸命に働くうちに、自分を信頼できるようになった。それが最も大きな進歩。外部の人が何と言おうと、自分に対する信頼は揺らがない」。


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    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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