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    3人ゴールキーパー体制

    2月14日、CLラスト16の1戦目でLiverpoolは、アウェイでポルトに5-0と圧勝した。サディオ・マネのハットトリックを含み、ボビー・フィルミーノとモー・サラーの「フロント3」がさく裂し、今季の3人の得点合計は63となった。各チームのトップ3の通算では、プレミアリーグの首位を独走するマンチェスターシティ(※セルヒオ・アグエロ、ラヒーム・スターリング、レロイ・サネ)ですら60、ヨーロッパ全体を見渡してもLiverpoolを上回るのは唯一、PSGの67(ネイマール、エディンソン・カバーニ、キリアン・ムバッペ)だけだった。

    数字を引き合いに出すまでもなく、Liverpoolの「フロント3」の攻撃力を評価しない人はなかった。ライバル・ファンの間では、Liverpoolの現戦力について「超一流の攻撃陣、可もなく不可もないミッドフィールド、2部並みのディフェンス、GK不在」という言い回しが定着していた。ただ、「2部並みのディフェンス」に関しては、1月にフィルジル・ファン・ダイクを取ったことで、世間の目も徐々に変わりつつあった。

    それだけに、「不在」とまで言われているGKが脚光を浴びるのは不可避だった。

    リーグではシモン・ミニョレ、CLではロリス・カリウス、国内カップ戦ではダニー・ウォードという3人ゴールキーパー体制で開始した今季、Liverpoolはリーグカップに続きFAカップでも早々に敗退したことで、方向転換を強いられることになった。

    1月14日のマンチェスターシティ戦(試合結果は4-3でLiverpoolの勝利)から、ミニョレに代わってLiverpoolのNo.1に抜擢されたカリウスは、ミスから同点ゴールを与える困難なスタートの後で、次第に落ち着きを取り戻し、1月30日のハダースフィールド戦(試合結果は0-3でLiverpoolの勝利)ではマン・オブ・ザ・マッチ候補に入る活躍を見せるに至った。

    続くトットナム戦(試合結果は2-2)、サウサンプトン戦(試合結果は0-2でLiverpoolの勝利)で試合の行方を変えるセーブを連発したカリウスに、全国メディアの視線は和らぎ始めた。

    「ハダースフィールドでの17分目に、『不在』と言われたLiverpoolのゴールにカリウスが堂々と名乗りを上げた」。

    カリウスがLiverpool入りした2016年の夏に、ユルゲン・クロップは誇らしげに語った。「ドイツは歴史的に偉大なGKをたくさん出した国。子供たちはグローブを付けたがる程。カリウスはそのGK大国ドイツで生まれ育った、典型的なドイツ人キーパー」。

    クロップがLiverpoolのNo.1としてカリウスを獲得したことは、誰もが予測したことだった。ところが開幕前に負傷を負うという不運に見舞われたカリウスは、復帰後わずか11試合でミニョレにゴールを明け渡す試練を味わった。

    「昨季の失意から学んだ。今のチームは攻撃陣が必ず得点してくれるから、僕が守れば勝てる」と、カリウスは自信を語った。

    一方、代わってベンチに格下げとなったミニョレが「試合に出られる新天地を探す」意思をほのめかす中で、ハダースフィールドではベンチにも入れなかったウォードが、スタンドからチームの勝利を見守っていた。

    「試合に出たいのは本音。しかし、チームが即戦力のGKを3人抱えていて、監督が選択肢を持てる状況を維持することが今の僕の務め」と、ウォードは地元紙リバプール・エコーのインタビューで語った。

    昨季はローン先のハダースフィールドで46試合に出場し、プレイオフ決勝では昇格決定のPKセーブ・ヒーローとなったウォードを、ハダースフィールド・ファンは決して忘れなかった。LiverpoolのNo.3としてスタンドに座っていたウォードに対して、ホーム・サポーターは「オンリー・ワン、ダニー・ウォード」チャントで歓迎した。

    「僕にとってハダースフィールドはスペシャルなクラブ。みんなで力を合わせて世間の予測を跳ね返したのだから」と、ウォードは微笑んだ。

    「苦戦を強いられているクラブでは、例えば2-0で負けても5-6本のセーブをすることがある。でもLiverpoolのようなクラブでは、GKがセーブを強いられる機会は決して多くない。必要が生じた時に確実にセーブできるために、常に集中力を維持することが必須。夏にローンから戻って来た時に、監督を話をした結果、僕はLiverpoolで新たなチャレンジに挑む決意に至った」。

    カリウスがNo.1の座についたことを、ウォードは前向きに捉えていた。「GK同士の連帯感はひときわ強い。日々、3人で力を合わせて全体のレベルアップに励んでいる」。

    「フットボールではいつ何が起こるかわからない。その時にチームの勝利に貢献できるよう、日々頑張ることが僕の務め」。

    クロップは「GKにとっての集中力は他のポジションとは異なる。体力的な集中力よりも精神的なものが求められる」と、折に付け強調している。今季の3人ゴールキーパー体制がどのような実を結ぶか、まだ答えは出ていない。


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    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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