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    Liverpoolのベスト・センターバック

    11月18日のアンフィールドでのサウサンプトン戦に先駆けて、イングランドのメディアは予想通り、夏の移籍ウィンドウ最大のソープオペラの一つだったフィルジル・ファン・ダイクに焦点を当てた。試合前の定例記者会見の場で、「1月にLiverpoolは再度ファン・ダイク獲得に出るか?」という質問に、ユルゲン・クロップは「その質問に私が答えるとでも思ってた?」と爆笑したのに対して、マウリシオ・ペジェグリーノが「将来のことはわからない」と真面目に答えてしまったものだから、喜んだメディアが更に火のない所に煙を立てる騒ぎになった。

    折しも、Liverpoolのジョー・ゴメスが対ドイツの親善試合(試合結果は0-0)でセンターバックとしてイングランド・フル代表デビューを飾り、続くブラジル戦(試合結果は0-0)ではマン・オブ・ザ・マッチの活躍を見せたことで、全国メディアの過剰反応に油を注いだ。

    更には、スカイTVでティム・シャーウッドが「代表監督はクラブの監督より選手を知っている」と断言するに至った。それは、イングランド・アンダー21代表チーム時代からゴメスを見てきた現フル代表監督のガレス・サウスゲートが、Liverpoolでは今季ライトバックで出場しているゴメスの、適材適所を見抜いている、という議論だった。

    「例えば、Liverpoolのベスト・センターバックは誰?ジョー・ゴメスだ。でも実際には、別の選手がセンターバックのポジションを占めていて、ゴメスが能力を発揮する場を奪っている」。

    ジョーク半分に、「1月以降のLiverpoolの3人センターバックは、ジョエル・マティプ、ファン・ダイク、ゴメスで決まり」と叫んでいたLiverpoolファンも、真顔になってシャーウッドの説に反論した。「イングランドの5人DF体制に比べて、攻撃主体のLiverpoolのディフェンスは難易度が高い。ゴメスの将来はセンターバックにあることは疑いないが、若手はまだ不安定なことが多く、プレッシャーをかけ過ぎるのは酷。加えて、今はナサニエル・クラインの負傷のため、18歳のトレント・アレクサンダー・アーノルドをカバーするためにも、ゴメスがライトバックに入ることは必須」。

    期せずしてセンターバックが脚光を浴び中で行われたサウサンプトン戦は、ファン・ダイクが単独で話題をそそるような場面もなく、ベンチで試合を見ていたゴメスに代わり、先輩センターバックがサウサンプトンの得点チャンスをシャットアウトした(試合結果は3-0でLiverpoolの勝利)。

    「ジョー(ゴメス)はこれから15年間、Liverpoolの選手として活躍すべき選手」と、無責任なアナリストの雑音で、不必要なまでに注目を浴びていたゴメスをいたわるかのように、試合後のインタビューでユルゲン・クロップは語った。「イングランド代表チームで素晴らしい活躍をしたことについては、私は心から喜んでいる。もちろん、ジョーはクラブでも重要な戦力。でも、2試合連続出場した僅か4日後に、しかも過密日程の皮切りであるこの試合で、無理をさせるのはリスクが大きいを判断した。負傷に苦しんだ記憶がつい最近のことだけに、尚のこと」。

    それは、今回のイングランド・フル代表チーム初選出に際して語った本人の言葉とも同期を取っていた。

    「最初の負傷から回復して、直後に2度目の負傷に見舞われた時には、運に見放されたかと目の前が真っ暗になったこともあった」。ユルゲン・クロップがLiverpool監督に就任が決まった2015年10月にイングランド・アンダー21代表チームの試合中にじん帯を負傷し、その後、回復直後の2016-17季のプリシーズン中にアキレス腱を負傷してしまった苦悩について、ゴメスは振り返った。

    2015年の夏に、生まれ故郷ロンドンの地元のクラブであるチャールトンから£3.5mの移籍金でLiverpool入りした時には、熱心なチャールトン・ファンから「Liverpoolは史上最大のバーゲン移籍を実現した」と、感傷的な激励を受けたものだった。その時の特約が発効し、今回のイングランド・フル代表キャップ獲得で、Liverpoolはチャールトンに追加で£250,000を支払うことになった。

    メルウッドに向かう道中にイングランド・フル代表選出の連絡を受けたゴメスは、文字通りの速報をクロップに報告した。

    「監督とは、単に監督と選手という関係を超えた、人間的な繋がりを実感している。一人の人間として対話してくれる。じっと話を聞いてくれて、心から言葉をかけてくれる」。

    通算15か月の負傷欠場の後で、昨季後半には試合に復帰したものの、本来の調子を取り戻すのに時間がかかったゴメスは、自分がLiverpoolの戦力として将来はあるかと迷ったという。クロップとの会話で踏ん切りがついたゴメスは、順調に復調の道を歩み、地元のクラブであるチャールトンに追加収入をもたらした。

    「監督がいなかったら、今の自分はなかった」。

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    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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