プレミアリーグ開幕:最もプレッシャーが大きい監督は誰?

    8月4日、ネイマールのPSG行きが正式に発表され、ワールド・フットボールのヘッドラインを独占した。222mユーロの移籍金(違約金)と税引き後の年収£26mという桁外れのニュースに、各国のメディアやファンの話題を集めた。

    同時に、222mユーロを手にしたバルセロナが狙っている選手として、フィリペ・コウチーニョの名前がしきりに飛び交った。特にバルセロナの地元紙スポルトやムンド・デポルティーボが、「コウチーニョ獲得は時間の問題」と騒ぎ立てた。

    一方で、Liverpool陣営では、地元紙リバプール・エコーが「コウチーニョ放出はあり得ない」前提を崩さず、戦力補強の遅れをつつく記事に専念していた。8月5日のプリシーズン戦(対アスレチックビルバオ、試合結果は3-1でLiverpoolの勝利)の後で、ユルゲン・クロップが、「アルベルト・モレノが本来の実力を取り戻し、ジェームズ・ミルナーがミッドフィールドの『新戦力』となった」と言った言葉を引用し、「コウチーニョを引き留めることで、『新戦力』と満足するのは間違い。昨季1月2月の負傷者続出時期に、選手層の薄さが露呈した過ちを忘れてはいけない」と、批判的だった。

    プレミアリーグ開幕を目前に、各クラブの地元紙は多かれ少なかれ「不満」を掲げていた。

    この夏最も多額の投資をしているマンチェスターの2クラブも例外ではなかった。マンチェスター・イブニング・ニュース紙のユナイテッド・ページは、「あと2人主力を獲得すれば、ジョゼ・モウリーニョのこの夏の目標は完成する」と、既に£150m(推定)を費やした後で、あせりすら感じられる文面の記事を掲げた。ユナイテッドが失ったズラタン・イブラヒモビッチ(28)とウェイン・ルーニー(8)が、昨季は2人合わせて36得点を「稼いだ」事実を考えると、£75mのストライカーとは言えロメル・ルカクが一人でその数字を埋めると期待するのは無謀、という論点だった。

    同紙のシティ・ページは、£212mの投資に加えて「アレクシス・サンチェスを取ればプレミアリーグ優勝奪還」と、悲痛な叫びを繰り返した。ユナイテッド同様に、昨季は失意の成績で終わったシティの陣営では、得点力の補強を急務としていた。

    そして、昨季2位のトットナムが、この夏これまで戦力獲得ゼロという事実は、誰もが知るところだった。「新スタジアム建築に着手したトットナムが、財政を引き締めるのは仕方ないこと。それに、若手中心のチームで悠々2位という実績は、新戦力はゼロでもチーム力向上という面ではライバル・チームと比べてそれほど劣らない」という強気発言は出ているものの、ファンや関係者の心中は穏やかではなかった。

    そのような状況で、プレミアリーグ開幕を迎えているイングランドのファンの間で、「トップ6の中で最もプレッシャーが大きい監督は誰?」という議論で盛り上がった。

    最多票を集めたのは、チェルシーのアントニオ・コンテだった。「この夏、合計£130m(推定)の補強はしているものの、ディエゴ・コスタがコンテとの衝突の結果、出て行くことになれば、その打撃は予想以上に大きいだろう。チェルシーが優勝監督を翌シーズンにクビにする『伝統』は有名だし、コンテのクビは非常に危うい」。

    僅差の2位は、マンチェスターの2クラブだった。「これだけお金を使って『自分の選手』を集めたペップ・グアルディオーラとジョゼ・モウリーニョは、どちらも優勝が義務。優勝できなかった方が、たぶんクビになるだろう」。

    「トップ3」からやや差が開いた4位は、アーセナルのアーセン・ベンゲルだった。「ファンの意見が二分している事実は周知の通りだが、昨季終幕のゴタゴタを乗り切ってベンゲルが2年契約にサインした。今季はトップ4復帰のプレッシャーは大きいが、ダメだった時の反動は致命的ではないだろう」。

    僅差で5位だったトットナムのマウリシオ・ボチェティーノは、「ファンの支持も強いしクラブの評価も高いが、見た目よりも危ないだろう。それは、着実に成績を上げてきている分、期待が高まっているから」という意見が多かった。

    そして、最下位のユルゲン・クロップについては、多くのファンの意見が一致していた。「27年間リーグ優勝から離れているLiverpoolに対して、優勝必須と真剣にプレッシャーをかける人は殆どないだろう。ファンの忍耐力も強いし、たぶんトップ4から落ちたとしてもスカウサーはユルゲン・クロップを熱烈に支持し続けるだろうし」。

    その見解を裏付けかのように、Liverpoolファンの間では、戦力補強の遅れに対しても冷静さを維持していた。「センターバックとディフェンシブ・ミッドフィールダーの2ポジションが赤マル付きの急務であることは誰もが指摘するところ。ただ、クロップが熱烈に欲しがっていたナビ・ケイタのNGが確定して、フィルジル・ファン・ダイクも薄くなった今、代わりの戦力として、欲しくない選手に多額の資金を費やすよりは、若手にチャンスを与えた方が、長い目で見ると正しい道」。

    かくして、どのチームも一長一短を抱える中で、シーズンが開幕する。

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    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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