待ち焦がれた2017年のリーグ初勝利の舞台裏

    2月11日、Liverpoolはアンフィールドでトットナムに2-0と快勝して、待ち焦がれた2017年のリーグ初勝利を記録した。新年を迎えた時には、FAカップ参戦を控える傍らリーグカップは準決勝進出、プレミアリーグでもタイトル争いに食いついていたLiverpoolは、6週間の不振の末に両カップ戦で敗退し、リーグではトップ4争い脱落の危機に直面していた。

    1月31日に、首位チェルシーに1-1と引き分けて連敗をストップした時には、立ち直りに向かうかと思いきや、直後の2月4日には残留争いのハル・シティに2-0と惨敗し、再び暗い雲に覆われた。

    必然的に、メディアやアナリストの批判は、大半がユルゲン・クロップに向けられた。そんな中でも笑顔を絶やさず、選手に対する信頼を維持したクロップは、断言した。「勝てない理由は、私自身の戦略を始め、全員が良いプレイが出来ないから。良い時は全員一緒だが、良くない時も全員一緒ということ。もちろん、良い方に向けねばならない、ということは認識している」。

    そして、トットナム戦の勝利の翌日に、地元紙リバプール・エコーの独占インタビューで、アダム・ララーナが意外な逸話を披露した。危機が深まりどん底にいた前週に、メルウッドで選手だけのミーティングを行ったとのことだった。それは、主将ジョーダン・ヘンダーソンが呼びかけて、選手全員が自主的に参加したという。

    「監督は一生懸命やってくれている。我々に自信を取り戻させるために、あらゆることをやってくれている。でも、我々は監督の指示を実現できていなかった。ダメなのは我々選手たちで、監督の信頼を裏切っているのだ、という強烈な反省心を、皆が抱いているということが、改めて確認できた」と、ララーナは語った。

    「そのような場を持とうと言い出した主将は真のリーダーだし、それに対して全員が参加したということは、皆の気持ちが一致しているからだと思った。そして、ミーティングでは、主将が一方的に喋ったのではなく、多くの選手が発言した。ベテランも、ベテラン以外の選手も、皆が自分の考えを表明した。その中で、全員が全員のために働こうと努力していること、全員が、やらねばならないと認識していること、全員が、お互いに助け合って一緒にやって行こうと心から感じていることを、改めて確認できた」。

    「もちろん、不調に関しては言い訳するつもりはない。ただ、その背景に、数人のエゴがあるとかいうのではなく、チーム内はこのように一致団結している。勝てない時にも全員一緒なのだから、やればできるのだ、と思った」。

    この逸話は、ファンに感銘と拍手をもたらした。「トットナム戦の前には、元Liverpool選手のアナリストから、今のLiverpoolの選手は『良い人』ばかりで骨がない、と批判の声が上がったし、それに対して我々ファンも同意した。でも、舞台裏でヘンドが主将としてリーダーシップを発揮し、選手が自主的に『骨』を持つよう努力していた」。

    ほぼ同時に、地球の裏側で、南アフリカのファンが、Liverpoolのトットナム戦勝利祈願を唱えたという逸話が伝えられた。

    それは、スプリング・ボックス(南アフリカ代表ラグビーユニオン・チームのニックネーム)のスクラムハーフとして通算89キャップ、ワールドカップ優勝2回を誇るレジェンド、ユースト・ファン・デル・ベストハイゼンの13歳の息子ジョーダンのメッセージだった。

    2011年に運動ニューロン病と診断され、2月6日に45歳で亡くなったファン・デル・ベストハイゼンの悲報は、世界のラグビー界に衝撃を与えた。2月11日の週末に開会した北半球のシックス・ネーションズでは、全試合で、ファン・デル・ベストハイゼンを偲ぶ1分間の黙とうが行われ、2月10日の告別式では、世界中から追悼のメッセージが寄せられた。

    その中で、息子ジョーダンのメッセージは、スポーツを超えて世界中のファンの心を直撃した。

    「お父さんへ。今までありがとう。中でも、自分のベストを出せるように、と教えてくれたことは忘れません。お父さんはベスト・ラグビー選手でした。僕も、お父さんのようにベスト・スポーツ選手になりたいです。お父さん、ひとつお願いがあります。天国で、神様に伝えてくれませんか?Liverpoolを勝たせてください、と。あなたは決して一人では歩きません(You'll Never Walk Alone)。愛するお父さんへ。ジョーダンより」


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    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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