12月のゴール・オブ・ザ・マンス

    1月2日、BBCの定番ハイライト番組、マッチ・オブ・ザ・デイの12月のゴール・オブ・ザ・マンスに、サンダーランド・ファンのブラッドリー・ローリーの、チェルシー相手に決めたPKが輝いた。同点受賞として、マンチェスターユナイテッドのヘンリク・ムヒタリアンの、サンダーランド戦での「スコーピオン・キック」が入った(試合結果は3-0でマンチェスターユナイテッドが勝利)。

    イングランド・フットボール界の心を掴んだ5歳のブラッドリーは、2013年にがんと診断され、以来、病気と闘っている。難病のため、合衆国の専門医の診断が必要となり、莫大な費用がかかることから、サンダーランド・ファンが中心となって、基金が設立された。その話を広げて協力を仰ぐ目的も兼ねて、2016-17季には、サンダーランド・ファンが毎試合で、5分にブラッドリーへの激励の拍手を実施していた。

    9月のスタジアム・オブ・ライト(サンダーランドのホーム・スタジアム)でのエバトン戦で、マスコットを勤めたブラッドリーが、ヒーローと崇拝しているジャメイン・デフォーに抱かれてピッチに立った姿は、イングランドのフットボール界に深い感銘を与えた(試合結果は0-3でエバトンの勝利)。そして、5歳の小さな体で、全力で病気と闘っている勇敢なブラッドリーに、心を打たれたエバトンが、£200,000の寄贈をした。

    しかし、晴れて渡航の費用が出来たブラッドリーは、病気は進行が速すぎて、余命を伸ばすための治療しかないと診断され、イングランド中がショックで沈んだ。

    非情な運命を背負いながら、笑顔を絶やさず、サンダーランドを力いっぱい応援するブラッドリーは、12月14日のスタジアム・オブ・ライトでのチェルシー戦で再びマスコットを勤めることになった。そして、試合前にエキシビションのPK戦にチャレンジし、(わざと)逆側に飛んだアズミル・ベゴビッチの左を抜いて、スポットキックを決めたのだった。

    チェルシーの選手全員から囲まれて、顔を輝かせるブラッドリーの姿は、その日のマッチ・オブ・ザ・デイでクローズアップされた。1-0でチェルシーが勝ったその試合で、「サンダーランドの選手全員を合わせても、ブラッドリーのスポットキックにはかなわなかった」と、アナリストが絶賛した。

    1月12日にプレミアリーグの12月のゴール・オブ・ザ・マンスが発表され、受賞者となったムヒタリアンが、即座に「この賞をブラッドリー・ローリーに捧げる」と宣言した。

    更に、1月15日のグッディソンパークで、エバトン対マンチェスターシティ戦の特別ゲストとして、ブラッドリーが登場し、大きな話題となった。これは、9月以来コンタクトを取り続けていたエバトンが、たまたまブラッドリーの治療のための移動の都合と合致したことから、招待することになった。

    サンダーランドのシャツを着て、ロメル・ルカクの腕に抱かれてピッチに立ったブラッドリーは、スタンドからの盛大な拍手を引き出しただけでなく、エバトンの選手に勇気を伝授したかのように、エバトンはマンチェスターシティに4-0と快勝した。

    並行して、1月21日にサンダーランドを迎えることになっていたWBAでは、ファン・グループが独自にブラッドリーの基金を設立し、招待を計画していた。残念ながら、ブラッドリーは治療のため行けなかったが、試合中に、WBAファンが、アウェイ・スタンドのサンダーランド・ファンと手に手を取って、ブラッドリーに対する激励のバナーと拍手を捧げた様子を、TVカメラが捕えた。

    その試合でWBAに2-0と敗れ、とうとう最下位に転落したサンダーランドを、果敢に応援するブラッドリーに、チームを問わず、イングランド中から温かい視線が注がれている。


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    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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