fc2ブログ

    デヤン・ロブレンのユルゲン・クロップに対する感謝のメッセージ

    今季最初のインターナショナル・ウィーク中に、Liverpoolでの公式戦デビュー(8月27日対トッテナム、試合結果は1-1)を果たしたばかりのジョエル・マティプが、LFC TVのインタビューに登場した。今ではすっかりレギュラー・センターバックとして定着したデヤン・ロブレンとのパートナーシップについて、「お互いにカバーし合って、チームのためにしっかり守れるようになって来ている」と、頼もしい言葉が出た。

    「ドイツ語を話すエムレ・ジャンが同じチームにいることは、心強いですか?」という質問に対して、マティプは、さらっと言った。「でも、デヤンもパーフェクトなドイツ語を話すから」。

    そして、今回の11月12日のインターナショナル・ウィークの前に、ロブレンがクロアチア代表チームの監督に「理由は言えないが、今回の2試合には選出しないでください」と懇願した、という話が、Liverpoolファンの間で話題になった。「ひょっとして、家庭の事情ではないだろうか」。

    これは、8月6日のプリシーズン戦(対バルセロナ、試合結果は4-0でリバプールの勝ち)の後の記者会見で、ユルゲン・クロップがサン紙の記者をボイコットしたきっかけとなった、奥さんの背信で家庭が危機に見舞われているという、気の毒な事件だった。「いくら有名人でも、線を越えてはいけないプライバシーはある」と、クロップは真剣に怒った。

    これに対して、イングランド中のファンが一斉にクロップ支持の声を上げた。「ロブレンが浮気をした、というならば、いわゆる有名人のスキャンダルで、典型的なタブロイド紙ネタかもしれない。でも、有名人でも何でもない奥さんがやったことを、こんな風に記事にするとは、最低だ。ロブレンが気の毒だし、クロップのやったことは絶対的に正しい。もし、これが我々のチームの選手に起こったことならば、我がチームの監督もクロップと同じ態度に出て欲しいと、心から思う」。

    ファンの心配の中で、11月10日のタイムズ紙が、Liverpool通のジャーナリストによるロブレンの独占インタビューを掲載した。旧ユーゴスラビア崩壊の内戦中に、3歳だったロブレンがドイツに疎開し、7年間の難民生活を送った実話が、赤裸々に展開されたのだった。

    自宅付近が爆撃され、お母さんに抱かれて地下に籠った夜の記憶に始まり、母方のおじいさんが住んでいたミュンヘンに逃げて行ったこと、着の身着のまま、「生きるために」故郷を出て行ったロブレンは、自分が難民だという真相を意識したのはそれから3年後のことだった、という。「子どもだった僕は、近所の子供たちにすぐ解け込めた。でも、家に帰ると母はいつも泣いていた。子供の世界でも、ドイツ人の子供同士が一緒にいる姿を見て、自分とはどこか違う、と気づくようになった」。

    結局、7年後に、ビザの手続きミスのためロブレン一家は強制送還されることになったが、「ドイツには感謝している。難民を受け入れてくれて、生命の危機におびえなくて良い7年間を過ごさせてくれたのだから」と、ロブレンは振り返った。その間、かつての自宅の近辺は何度か爆撃され、多くの知人が命を落としたという。

    「今も、難民のニュースを聞く度に、彼らに生きるチャンスを与えて欲しい、と心から思う」。

    そして、その翌日には、地元紙リバプール・エコーが、「ユルゲン・クロップがLiverpoolでのキャリアを救ってくれた」という見出しで、ロブレンのインタビューを掲載した。2014年夏に、£20mの大金でLiverpool入りしたロブレンが、スタートに躓いて苦戦する中で、すっかり自信を失っていた時に、クロップが来た。ロブレンは、クロップ下で本来の実力を取り戻した多くの選手の一人とは、誰もが一致するところだった。

    「人生では、時には困難に直面することがある。ミスを犯すこともある。フットボーラーは、何百万人の人が見ている前でミスをすることになる。そして、周囲の信頼を失ってしまうことがある」。

    「でも、クロップが来て、僕は自分を変えることが出来た。クロップは、我々をとにかく信頼してくれた。監督に信頼されているということが、自信に繋がった。お蔭で、自分の本来の力を出せるようになったと思う」。

    「クロップは、チームのために、文字通り24時間働いている。我々選手に起こっていることを全て把握してくれて、試合に集中できるように、我々を全力で助けてくれる。監督が、我々に対してこんなに尽くしてくれているのだから、我々も、100%を出すのが当然だと、心から思う」。

    コメント

    非公開コメント

    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

    最新記事
    最新コメント
    リンク
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR