ユルゲン・クロップの新戦力第一号

    7月20日、Liverpoolのプリシーズン4試合目のハダースフィールド戦(試合結果は2-0でLiverpoolの勝利)で先制ゴールを決めたマルコ・グルイッチについて、BBCのアナリスト、ミック・クインが「ネマニャ・マティッチに得点力を加えたようなディフェンシブ・ミッドフィールダー」と絶賛した。これは、同国人で同じポジションという共通点はあったものの、「これからプレミアリーグの洗礼を受ける20歳の若手に対して、やや過剰反応」と、Liverpoolファンは苦笑した。

    しかし、Liverpoolでのデビュー戦(対フリートウッド・タウン、試合結果は5-0でLiverpoolの勝利)に続き、2試合で2ゴールという堂々たるスタートを切ったグルイッチについて、Liverpoolファンは、「1年後にマティッチと比較されるような戦力になれば万々歳」と、期待を膨らませた。

    2016年1月の移籍ウィンドウでLiverpool入りが決まり、ユルゲン・クロップのLiverpoolでの新戦力第一号となったグルイッチは、ローンでそのままシーズン末までレッドスターに残り、リーグ優勝を経て、7月のメルウッド入りとなった。

    プリシーズンのトレーニングには初日から参加し、やる気を見せていたグルイッチは、不運ないきさつから初戦のトランメア戦(試合結果は1-0でLiverpoolの勝利)に出られないことになった。それは、セルビア代表チーム入りして3キャップしか記録しておらず、FAの労働許可を得るために審査が必要となったためだった。

    そして、7月4日にマンチェスターで行われた審査では、クロップが自ら出頭して、グルイッチがいかに重要な戦力であるか熱演したことで、あっさりFAの許可が下りた。ただし、役所の手続き上の決まりで、いったん出国して再入国する必要があったことから、トランメア戦に間に合わなくなった。

    「最後にLiverpoolが、労働許可を得るためにFAの審査を受けたのは、2013年1月のフィリペ・コウチーニョだった」と、地元紙リバプール・エコーは、グルイッチに対する静かな期待を表現した。

    エコー紙のインタビューで、グルイッチは、「電話が来ることは事前に知らされていなかったので、英国からの番号を見て、驚いた。クロップの声は、テレビで何度も聞いていたので、すぐにわかった。監督が直々に電話をくれるなんて、とものすごく感激した」と、初めてクロップと電話で話した時のことを明かした。

    「会話は殆ど、クロップが喋った。僕からのリクエストはただ一つ、僕はLiverpoolでプレイしたい、ローンに出されるのではなく、というものだった」。

    グルイッチのLiverpool入り?の噂が出た時に、ネガティブな要素として流れた話が、同じセルビア出身で、グルイッチとは親しい友人であるラザル・マルコビッチの状況について、グルイッチのご家族やアドバイザーが心配していた、というものだった。

    「周りからずいぶん言われた。プレミアリーグはレベルが高すぎて、成功するのは困難だ、と。それは、僕にとって大きなチャレンジだと思った」。

    かくして、周囲の心配を押し切ってLiverpool入りを決意したグルイッチに、既にプレミアリーグで活躍しているセルビア人の先輩選手たちが激励の歓迎をくれたという。「マティッチが真っ先にお祝いのメッセージをくれた。隣のマンチェスターシティにいるアレクサンダル・コラロブは、必要なことがあったら何でも言いなさい、と、頼もしい言葉をくれた」。

    同じLiverpoolの、隣国クロアチアのデヤン・ロブレンも大歓迎したという。「バルカン半島出身者の連携は強い」。

    先輩たちに見守られて、Liverpoolでのキャリアを開始したグルイッチは、デビュー戦のゴールについて、「夢の実現」と語った。「セルビアでは、誰もがLiverpoolを知っている。ものすごく人気のあるチームだし、僕は、あの有名なイスタンブール(2005年CL決勝戦。3-3、PK戦でLiverpoolがACミランに勝って優勝)のことを良く覚えている」。

    Liverpoolでは、その時のヒーローの一人、ディディ・ハマンの背番号16を付けることになった。「クロップは、僕に対して、誰に代わるべく選手になって欲しいなど、具体的な名前は一切、出さなかった。僕のセルビアでの試合のビデオをいくつも見ていて、欠点や良い点を理解していた。その上で、Liverpoolで活躍できる選手になることを期待している、と」。

    「クロップがドルトムント監督だった頃に、僕は、憧れの監督としてSNSにクロップの写真を載せたことがあった。ネベン・スボティッチやロベルト・レバンドフスキをスターにした人だったから。あの時には、クロップも僕もLiverpoolとは縁がなかったのに」。

    クロップの新戦力第一号となったグルイッチが、Liverpoolでどんなキャリアを歩むことになるのか、ファンは密かな期待を抱き始めた。


    コメント

    非公開コメント

    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

    最新記事
    最新コメント
    リンク
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR