アンダー16から6週間でファーストチーム入り

    7月8日のトランメアを皮切に、Liverpoolのプリシーズン・ツアーが始まった。来週7月26日には、ユーロに出ていたファーストチームの10名が合流し、2016-17季のチームが揃ってアメリカ合衆国に出発する。その前に、リバプール市の隣町にあるノンリーグのトランメア(試合結果は1-0でLiverpoolの勝利)、60キロ北に位置する3部のフリートウッド(試合結果は5-0でLiverpoolの勝利)、リバプール市とマンチェスター市の中間にある2部のウィガン(試合結果は2-0でLiverpoolの勝利)と、近場での3試合に加えて、ユルゲン・クロップの友人デビッド・ワグナーが監督を勤める2部のハダースフィールドの4試合が、国内のプリシーズン戦として計画されていた。

    対戦相手は、ノンリーグから3部、2部と徐々にレベルが上がって行くことで、シーズン開幕に向けて、自信を付けながら調整を図るもので、昨季の途中でLiverpool監督に就任したクロップが、折につけ「プリシーズンの重要性」を口にしていた通り、綿密な計画に沿って立てられた日程だった。

    同時に、アンフィールドの工事の関係でプリシーズン戦は全てアウェイとなるため、近場の試合を組むことで、アカデミーチームの選手も含むチーム編成で、クロップの「若手にチャンスを与える」方針も実現されていた。

    そして、3戦3勝となった7月17日のウィガン戦を終えて、「最も印象的なのは、監督に認められるために必至になっている若手選手たち」とは、誰もが一致する見解だった。

    その中で、18歳のオビ・エジャリア、17歳のトレント・アレクサンダー・アーノルド、16歳のベン・ウッドバーンというティーンエージャー3人が、特に注目を集めていた。

    中でも、フリートウッド戦に続いてウィガン戦でもゴールを決めた最年少のウッドバーンは、隣町チェスター出身で、8歳の時にLiverpoolのアカデミーチーム入りした経歴も手伝って、早速、ファンの間で「マイクル・オーウェンを彷彿させる」という期待が湧き起こった。

    地元紙リバプール・エコーは、「アンダー16から6週間でファーストチーム入り」という見出しで特集記事を掲載した。「ウッドバーンが、GCSE(※大学入試の査定にもなる英国の学校の共通試験)を終えて、学校の制服を着てLiverpoolのアンダー16チームのトレーニングに現れたのは6週間前のことだった。それが今は、ファーストチームのプリシーズン戦で得点し、ユルゲン・クロップに『若手の有望さに気付かないのは不可能』と言わせる存在になった」。

    リバプール・エコー紙が、初めてウッドバーンの記事を掲げたのは、2016年1月27日、FAユース・カップのカーディフ戦で、パスを胸で受けてシュートを決めたソロ・ゴールだった(試合結果は3-0でLiverpoolの勝利)。2015年秋に、15歳でLiverpoolのアンダー18チームに引き抜かれたウッドバーンは、2016年に入ってから3試合で4得点と好調だった。

    「スピードあり、テクニックあり、体力も優れている上にフィニッシュも正確なウッドバーンは、攻撃的なあらゆるポジションもこなす。アンダー16レベルでは群を抜いているので、アンダー18チームに昇格させざるを得なかった」と、Liverpoolのアカデミー・コーチが目を細めた。

    ウェールズ人のウッドバーンは、その時点で既にウェールズ・アンダー17代表チームの主将を勤めた経歴を持ち、「ウェールズ代表チームのアーロン・ラムゼイの後継者。数年後にはフル代表入りすべき有望若手」と、高く評価されていた。

    その後、通学の都合でアンダー16チームに戻ることになった時に、「全く変わらぬ態度で、ひたすらトレーニングに励んだ。昇格した途端にうぬぼれる若手が少なくない中で、驚くほど真面目で謙虚な少年」と、コーチの賞賛は続いた。「学業の方も熱心で、学校の成績も良いウッドバーンは、このまま成長すればきっと、一流のプロになるだろう」。

    ウィガン戦のゴールの後で、ウッドバーンの才能に感心する声は急激に広がった。

    そのLiverpool陣営の過熱に水を差したのは、クロップだった。リバプール・エコー紙のインタビューで、「ユーロ帰りの主力選手たちが戻ってきた後でも、このところの活躍が目立つティーンエージャーを外すのは難しいのでは?」と質問されたクロップは、「彼らはまだ学校に通っている年齢の若者なのだから、あまり騒がないで欲しい」と、冷静に答えた。

    「アカデミーチームの若手は、合衆国ツアーには連れて行くつもりはない。例えばベン(ウッドバーン)はまだ16歳。今は夏休みとはいえ、学校の勉強や友達との付き合いなど、フットボール以外にも重要なことがある。16歳の若者がやるべきことを優先させたい」。

    「私は、彼らの才能を実感しているし、それは決して忘れない。彼らが成長できる場を考え、彼らの成長をずっと見守る。数年後に、成長した彼らが次のステップに進んだ時に、活躍の場を考えるのも私の仕事」。

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    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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