ユルゲン・クロップのマン・オブ・ザ・マッチ

    1月26日のリーグカップ準決勝2戦目で、Liverpoolはストークシティを延長の末通算1-1、PK戦6-5と破って、4年ぶりの決勝進出を達成した。13日で5試合目の過密日程の中で、延長戦に入った時には、両チームともに疲労で足が動かなかった、会心のプレイには程遠い内容ながら、Liverpoolにとっては、気力で勝ち取った決勝進出だった。

    その中で、長期負傷明けで105分を戦ったジョン・フラナガンについて、ユルゲン・クロップは、試合後のインタビューで「私のマン・オブ・ザ・マッチ」と讃えた。

    「フラノは、私がLiverpoolに来た時からずっと負傷していた。アンダー21の試合での調整が始まってからも、簡単ではなかった。良い日があれば、次の日にはドクター・ストップがかかった、など、復帰に向けての調整も大変だった。それでも、フラノは決して弱音を吐かず、常に前向きな姿勢で頑張った。とても意思の強い、しっかりした若者。今日の試合も、復帰2試合目でいきなり105分プレイしたが、延長戦のハーフタイムに交代させた時にも、本人は『まだ大丈夫です』と、出たがった。フレッシュな足が必要だからと言って説き伏せた」。

    1月20日のFAカップ3回戦再試合、エクセター戦(試合結果は3-0でLiverpoolが勝利)で、51分のサブで、フラノが619日ぶりの復帰を遂げた時のアンフィールドは、異例な熱気がよぎった。スタンドのファンが総立ちでフラノの復帰を歓迎する様子に、タッチラインに立ってフラノを送り出したクロップが、深く感銘を受けたことは明らかだった。

    「まずは、スタンドのファンにお礼を言いたい」という切り口で始まったクロップの試合後のインタビューは、平日の夜のカップ戦再試合に満員御礼のサポートを見せた賞賛に続いて、「フラノが出場した時のスタンドの熱い反応は、とても感動的だった」と、頬を紅潮させた。

    自らファンとの繋がりを大切にしているクロップにとって、ファンがフラノに対して見せた、自発的な、熱い思い入れに、心が動かされたようだった。

    スティーブン・ジェラードやジェイミー・キャラガーという、ファンが強く支持してきたレジェンドが次々と去って、残った数少ない「Liverpoolのクラブに全精力を注いでいる選手」の中で、更に希少な、スカウサーでアカデミー出身のフラノは、ジェラードやキャラガーのような大スターとは言えないかもしれないが、ファンにとっては、その両者の後を継ぐ特別な存在になっていた。

    「子供の頃は、アンフィールドが近所の遊び場だった」と言う程に、地元中の地元で、代々Liverpoolファンというご家庭で、Liverpoolファンとして育ったフラノは、ファンにとっては「スカウサーのハートビートを持つ、ファンの一人と言える選手」だった。

    長期欠場明けで、果たして負傷前の2013-14季の絶好調さを取り戻すことができるかどうか、フラノの戦力面での復調に関しては、まだまだ予断は許さなかった。しかし、Liverpoolに熱情を抱き、クラブのために全てを捧げる決死の覚悟を持ち、必要な時にはそれを出すことが出来る選手は、Liverpoolにとって、そして、フットボールに情熱を求めるクロップにとって、不可欠な存在であることを、ファンは知っていた。

    「エクセター戦で、スタンドのファンが盛大に迎えてくれた、あの時の感激は一生忘れられない」と、フラノは振り返った。「負傷と戦っていた時の、長い日々の辛さが吹き飛んだように思えた」。

    クロップの「私のマン・オブ・ザ・マッチ」発言について、フラノは、「監督の口からそのような言葉を貰えて、本当に勇気が湧く。監督は、僕の負傷中の苦しみを理解してくれて、激励してくれた。この監督に、実力を認めてもらって試合に出してもらえるように、全力を尽くしたい」と、力強く語った。

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    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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