オール・スター・チャリティ試合

    3月29日にアンフィールドで行われるオール・スター・チャリティ試合の、チーム選出会議の様子が3月12日にLFC TVで放映された。今年1月にスティーブン・ジェラードが今季末でLiverpoolを去ることが発表された時に、ファンの間で「ジェラードの記念試合を」という声が湧き上がった。というのも、在籍10周年記念試合は2013年夏に実施されたものの、本人の勇断により実質的にはプリシーズン戦になったという経緯があった(対オリンピアコス、試合結果は2-0でLiverpoolの勝利)。ファンの間で「名目上は実施済なので無理だろう」とため息が出る中で、3月末のインターナショナル・ウィークに行われるらしいという噂が流れ、3月4日に「Liverpool FC主催のチャリティ試合」として正式発表されたのだった。

    ふたを開けると、チャリティ試合のチーム選出を担当したのはジェラードとジェイミー・キャラガーで、明るい笑いが飛び交う両者の会話に顔をほころばせながら、ファンは「実質的にはジェラードの記念試合的な色合いが強い」と、改めて拍手を送った。

    結果的に、ブレンダン・ロジャーズが監督を勤めるジェラードのチームは、ブラッド・ジョーンズ、ヨン・アルネ・リーセ、ジョン・テリー、スティーブン・ウォーノック、ライアン・バベル、サビ・アロンソ、ジェラード、ケビン・ノーラン、ルイス・スアレス、フェルナンド・トーレス、ティエリ・アンリという顔ぶれとなった。キャラの方は監督は未定で、ペペ・レイナ、アルバロ・アルベロア、キャラ、マーティン・ケリー、クレイグ・ヌーン、ラウル・メイレレス、ジョンジョ・シェルビー、クレイグ・ベラミー、ルイス・ガルシア、ディディエ・ドログバ、ディルク・カイトというチーム構成となった。

    その中で、ジェラードがリーセを選んだ瞬間に、キャラがすかさず「では、ベラミーは僕のチームで決まりだね」と笑った場面が爆笑を呼んだ。その直後に、リーセが「またベラミーと対戦できると知って嬉しい。ゴルフクラブを全部持って行かなくちゃ」とメッセージを返し、Liverpoolファンは明るいジョークの応酬に腹を抱えて笑った。
    ※2007年のCL戦前のトレーニング合宿中に、喧嘩の末にベラミーがリーセをゴルフクラブで殴り合った事件。

    発売と同時にチケットが完売したこのチャリティ試合には、当日に代表チームの試合がない現役のLiverpoolの選手たちも加わることになっていた。それに先駆けて、主として既に代表引退している上述の「オール・スター」は、ジェラードとキャラが直接依頼して本人から協賛を得たものだった。

    「これら選手も、(代表チームに選出されるなど)状況によっては参加できなくなります」と、Liverpoolが繰り返しアナウンスしたが、スアレスは即座に「代表チームに許可を得て、こちらのチャリティ試合に出場する」と宣言し、Liverpoolファンの歓迎の拍手を誘った。

    続けて、カイトが「再びアンフィールドに戻れる日が来るとは夢にも思わなかった。うれしくて言葉に詰まった」とメッセージを出し、キャラが「アンリは、この試合のことを言ったら僕よりも興奮していた」と語った。

    「カイトのように、正式なお別れをする機会がないまま去って行った選手たちに、心から『ありがとう』を言えるチャンス」と、ファンは心を膨らませた。「アンリやドログバは、強敵として常に尊敬していた選手。テリーはどちらかと言えば、この中では異色な存在だが、それにしても、わざわざ参加してくれる誠意には偏に頭が下がる」。

    そして、Liverpool在籍歴はないものの、スカウサーで熱烈なLiverpoolファンとして有名なノーランとヌーンに対して、「自分のチームの試合がない時に、ファンとしてLiverpoolの試合のスタンドに座っていた姿を何度か見た。我々の一員」と、ファンは大歓迎の拍手を送った。

    そんな中で、特にファンの話題になったのはトーレスだった。2011年1月の移籍ウィンドウ最終日にトランスファー・リクエストを出してチェルシーに行ってしまったトーレスが、Liverpoolファンにとって「クラブに大きな打撃を与えて去った許せない選手」となったことは、あまりにも有名な話だった。すれ違いのようなタイミングで入ったスアレスが、存在感を高めるにつれ、ファンの間で「トーレスとスアレスのコンビというのは、かなわぬ夢だと分かっているが、でも見たかった」という言葉が、何度も何度も、苦笑まじりに出ては消えた。

    「ジェラードがスアレスとトーレスを選んだ時に、かなわぬ夢がとうとう叶うのだと思った」と、多くのファンが漏らした。「そして、我々ファンが『過去を水に流して』トーレスを拍手で迎えるチャンスを、ジェラードが与えてくれた」。

    昨季終幕のアンフィールドで(試合結果は2-0でチェルシーの勝利)、94分に、同点ゴールを目指して攻撃に専念していたLiverpoolの守りの隙を突いたトーレスが、GKと2対1になってゴール前でウィリアンにパスを出した試合の後で、Liverpoolファンはつぶやいた。「トーレスの気持ちがわかったような気がした」。

    今回のチャリティ試合に際して、ジェラードは「誰もが即座に快諾してくれて、こんなに簡単にオール・スターのメンバーが揃ったのは、アンフィールドが魅力的だから」と語った。しかしファンは、誰がこれら選手たちを惹きつけたか分かっていた。

    コメント

    非公開コメント

    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

    最新記事
    最新コメント
    リンク
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR