FC2ブログ

    超スーパー・セーブ

    週末のプレミアリーグ予測が出回っていた10月24日に、イングランドでアナリストとして活躍しているピーター・シュマイクル(マンチェスターユナイテッド在籍は1991-1999)が、元チームメイトのガリー・ネビル(マンチェスターユナイテッド在籍は1992-2011)を批判して話題となった。これは、ガリー・ネビルがLiverpoolのGKシモン・ミニョレを批判したことについて、元デンマーク代表GKのシュマイクルが、「ミニョレに対する個人攻撃」と、後輩GKをかばったものだった。

    発端となったガリー・ネビルのミニョレ批判というのは、9月27日のマージーサイド・ダービーでのことだった。Liverpoolが1-0で逃げ切るかと思えた94分にフィル・ジャギエルカの弾丸シュートで1-1となり、地元紙リバプール・エコーのLiverpoolページは「まるで敗戦のように感じた引き分け」と嘆いた試合だった。

    ハイライト番組で「センターバックの2年ぶりの得点という意外な筋から出た劇的な同点ゴール」が何度も流された中で、Liverpoolファンは次第に落ち着きを取り戻した。

    「あのゴールをもう一度と思って100回トライしても絶対に出せないだろうという、一生に一度のゴール。誰かのミスから出た情けない失点ならば悔しさが残るが、あのゴールは、得点したジャギエルカを賞賛するしかない」と頷きながら、次の試合に関心を向け始めた時のことだった。

    マンデー・ナイト・フットボールで、ガリー・ネビルが「ミニョレはセーブすべきだった」と唱えて、メディアにミニョレ・バッシングのネタを与えた。バイエルンのGKマヌエル・ノイアーの「スーパー・セーブ」の映像と比較して、「ノイアーに比べて、ミニョレは低い位置で構えているから、高い位置に飛んでくるシュートを防ぐことができない。ジャギエルカのゴールは確かに改心のゴールだった。しかし、ノイアーならば止めていただろう」とミニョレ批判を打ち出したのだった。

    これに対して、同番組のレギュラーとしてガリー・ネビルと共にイングランドのファンから高い評価を受けているジェイミー・キャラガーが、「Liverpoolでクラブ史上に残る偉大なGKとして名を残すには、ビッグ・マッチで超スーパー・セーブをする必要がある。ジャギエルカのゴールは、ミニョレにとってその絶好のチャンスだった」と同意したことで、世間のミニョレ批判は一気に爆発することになった。

    Liverpoolファンは、「キャラのコメントは、Liverpoolに対するひいき心から出たものだと納得できる。でもガリー・ネビルの、あのゴールをセーブできなかったからとミニョレを批判する意見には賛成できない」と流したものの、世間のミニョレ批判は激化する一方だった。

    10月22日には、アンフィールドでのCL戦でレアルマドリードに0-3と敗戦を喫した時に、ピークに達した。「昨年の優勝チームにホームで敗戦を食らうことは、必ずしも『恥』とは言えない。ただ、その負け方は『恥』を通り越して『危機』の域に達している。3失点のうち2点は、セットピースでディフェンスがパニックに陥ってプレゼントしたもの」と、イングランド中のメディアが厳しく書き立て、「最近18試合でクリーン・シートは僅か1回」という記録をクローズアップして、非難の矛先をミニョレに向けた。

    そんな中で、ピーター・シュマイクルのミニョレ擁護のコメントが出たのだった。折しも、イングランドのメディアが「ミニョレに代わるGK」としてLiverpoolが1月の移籍ウィンドウで獲得を計画している選手の名前を具体的に出して、憶測記事を書き立てている最中のことだった。

    「ミニョレは実力のあるGK。Liverpoolが失点を重ねて苦戦していることは確かだが、そんな時にGKに対して不当な非難の指をさすことは、不必要なプレッシャーを与えるもの。ジャギエルカのは改心のゴールだった。GKの構えが低過ぎるだの、元ライトバックから言われる筋合いはない」。

    シュマイクルの激励の余韻の中で、Liverpoolは10月25日にアンフィールドでハル・シティに0-0と引き分けて、メディアの「最近18試合でクリーン・シートは僅か1回」批判に終止符を打った。

    試合後のリバプール・エコー紙の「今こそミニョレを全面的にバックアップすべき時」という記事に、Liverpoolファンは大きく頷いた。

    「元ユナイテッドのピーター・シュマイクルとガリー・ネビルが、4週間前のダービーの話を蒸し返したことで、ゴール前に立つミニョレが一挙一動を監視され、メディアのさらし者にされている状況を改めて認識させられた。今季の失点の中でミニョレが責任を問われるべくものは皆無とは言わないし、LiverpoolがGKを含めてディフェンス強化が必要であることは誰の目にも明らか。しかし、戦力補強をするにせよ最短でも1月までは現在のメンバーだけが頼りというのも真相。良い選手が一夜で悪い選手に変わることはあり得ない。でも、苦戦が続き自信を失い、悪循環に陥る。そんな時に、今の選手たちが自信を取り戻して良いプレイができるようになるには、ファンが全面的にバックアップするしかない」。

    コメント

    非公開コメント

    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

    最新記事
    最新コメント
    リンク
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR