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    2度あることは3度?3度目の正直?

    3月17日のフラム戦の前に、地元紙リバプール・エコーが「2度あることは3度、は避けたいクレイブン・コテージでの重要な試合」という見出しでプレビュー記事を掲げた。勝てばLiverpoolは、FAカップ準々決勝のため試合がないマンチェスターシティに2ポイント差の首位に浮上する状況にあった。

    「2009年、2014年ともに、クレイブン・コテージでのインジャリータイムの決勝ゴールをきっかけに、Liverpoolはプレミアリーグ優勝争いを激化させた」と、同紙は直近2回のタイトル争いシーズンを振り返った。

    2014年2月12日には、Liverpoolは前試合でアーセナルに5-1と快勝し、自信を高めて臨んだが、先制されて窮地に追い込まれた。72分に同点、インジャリータイムのPKで3-2と大逆転勝利を収めたフラム戦は、その後の11連勝のスタート台となった。2009年4月5日には、1ポイント差の2位という酷似した状況で臨み、0-0で終わるかと見えたインジャリータイムに、気迫のゴールで1-0と3ポイントを勝ち取った。

    「今回は、プレミアリーグ6連敗で今季2度目の監督クビという状況にある上に、通算失点70のフラムに対して、インジャリータイムまで待たずに決めたいLiverpoolは、シーズン末のタイトル争いの結末も、『3度目の正直』にしたいと願っている」と、同紙は締めくくった。

    ふたを開けるとLiverpoolは、中立のアナリストが「今季のプレミアリーグ最優秀選手賞ほぼ確定」と口をそろえる程に安定した守りを見せているフィルジル・ファン・ダイクが、派手なミスを犯してライアン・バベルに同点ゴールを献上した末に、82分のPKで2-1と勝ちを収めた。

    試合前に、バベルが「オランダ代表チームで一緒にトレーニングしているので、フィルジル・ファン・ダイクの弱点は知っている。プレミアリーグの選手はまだ誰も気づいていないようだが」と豪語した話がイングランド中のヘッドラインを飾った。試合後のインタビューで、「あの同点ゴールの場面が、秘密の弱点?」と問われて、バベルは「いや、違う!」と強固に口を閉ざしたことで、必然的にファン・ダイクに矛先が向かった。

    「ミスはうっかりが原因。ものすごく悔しかったし、自分で自分を激しく怒った」と、開口一番に反省を語ったファン・ダイクは、バベルの「弱点を知ってる」発言について問われて、「あの話を聞いて、ライアンは賢い奴だと思った」と苦笑した。最後はジョークで「この後、代表チームに一緒の飛行機で行くことになっている。その時に、ライアンとはじっくり話をするつもり」と笑った。

    Liverpoolファンの間では、ファン・ダイクのミスよりも、「スポットに立った時の、ミルナーの氷のような冷静さに胸が熱くなった」と、決勝PKを決めたジェームズ・ミルナーへの称賛で盛り上がった。「サブで出てきて最初にやったことが、クリアし損なってファン・ダイクのミスに繋がったとは言え、PKを得た時にはミルナーの存在感の大きさを痛感した」。

    そしてミルナーは、スカイスポーツのインタビューで、「監督から、選手を落ち着かせるようにと指示を受けたばかりで、最初にやったことが、ボールを蹴り上げてフィルジルにプレッシャーを与えたことだった」と、笑いながら語った。それをユルゲン・クロップが引き取った。「ミリーがサブで出てきてインパクトを発揮したかって?もちろん!ミリーが出なかったら1-0のままだったと思う。ミリーが出て2-1になった」。ミルナーもクロップも、ジョークを言いながら、余裕の笑いを浮かべていた。

    「ミルナーが、自分の責任を主張することで、世間の批判がファン・ダイクに集中しないようにブロックした。並行して、ミルナーに対する信頼からクロップがそれに乗った。軽い口調で交わされるジョークの中に、チームの明るい雰囲気が伺えるようだ」と、ファンは笑顔で拍手を送った。

    「クレイブン・コテージのハットトリックは、今回はインジャリータイムまでは待たなくて済んだが、ミスから同点にされたピンチを克服して、Liverpoolは堂々とタイトル争いへの宣言を掲げた」と、エコー紙は続けた。

    プレミアリーグでの「ミルナーが得点すると負けない」記録が51に伸びた、その背景には、常に対戦相手のGKの動きを分析し、PKの時にどちらにジャンプするかを研究しているというミルナーの、日々のハードワークに基づく自信と経験があった。

    「クレイブン・コテージでの前回の苦しい勝利の後で、Liverpoolはマンチェスターシティにタイトルを明け渡して終わった。でも、その2014年との大きな違いは、その時のシティはミルナーの経験と実績に裏付けられた冷静さという武器を持っていたこと」。

    誰も我々をタイトル争いから追い出すことはできない

    3月10日のバーンリー戦の2日前に、地元紙リバプール・エコーが掲載した、ランカシャー・ライブ(※バーンリーの地元紙)の引用記事が、Liverpoolファンの間で大きな話題となった。それは、バーンリー監督のショーン・ダイシュが、ノーサンプトン(※リバプール市から190kmの地区)出身ながら「Liverpoolファンとして育った」少年時代の思い出を語ったものだった。

    「私は70年代の子供だったので、当然のことのようにLiverpoolファンになった」と、1971年生まれのダイシュは語った。「憧れのスターはキング・ケニーだった。私の年代のLiverpoolファンにとっては当たり前の選択肢だが」と、頬を染めたダイシュは、2年前にバーンリー監督としてアンフィールドを訪れて、キング・ケニーと対面した時のエピソードを明かした。「サー・ケニーは気さくな人で、いろんなことを話してくれた。会話しているうちに、この人を憧れていた子供の頃の自分に戻ったような錯覚に陥った」。

    Liverpoolファンは一斉に、「晴天のへきれきだった」と驚いた。「12月のターフムーアでのプレミアリーグ戦(試合結果は3-1でLiverpoolの勝利)で、ジョー・ゴメスが今も欠場中の負傷を負わされたベン・ミーのタックルを巡って、ダイシュとユルゲン・クロップとで議論のやり取りがあったことなど、てっきりダイシュはアンチLiverpoolだと思っていた」。

    更にダイシュは、今回のアンフィールド訪問に際して、全国メディアの「Liverpoolは自滅してタイトル争いから脱落」説を突っぱね、Liverpoolファンの好感度を更に高めた。「私の仕事は自分のチームの成績を上げるための戦略を立てることであり、他のチームの今後の成績に対して意見することではない」。

    そして試合では、ダイシュが事前に宣言していた通り、堅い守りと厳しいタックルという、Liverpoolが苦手とする戦略で臨んだバーンリーは、先制ゴールに始まり最後までLiverpoolを苦しめた(試合結果は4-2でLiverpoolが勝利)。

    リバプール・エコー紙は、「この試合はここ数週間のLiverpoolを取り巻く環境の縮図とも言えるものだった」と、感慨を表明した。「試合開始6分にコーナーから失点。それも、アリソンが反則された場面がレフリーに見逃された不運で開始した。その中で、Liverpoolは不満な判定を嘆いてやる気を失うことなく、正当なリアクションで逆転勝利を勝ち取った。プレッシャーに負けて自滅し、タイトル争いから脱落という全国メディアの言いがかりに、ピッチの上で答えを出した」。

    ユルゲン・クロップが、試合後のインタビューでリバプール・エコー紙の見解を裏付けた。「5-0で勝てば素晴らしい攻撃力だとはやし立て、0-0だと攻撃面で深刻な問題があると批判される。コロコロ変わるのはあなた方の記事の中でのことで、我がチームの内部の状況は全く変わっていない。世間が何を言おうが関係なく、チーム一同は自信を維持し、自分たちの目標に向かって進み続けている」。

    試合後の記者会見で、負けたダイシュは自分の選手たちへの誇りを表明した。「わが選手たちは良くやった。ミスから失点した場面もあったが、Liverpoolのようなチームに、2-1と逆転されたら打撃は相当大きいのに、それでも最後まで反撃した」と言った口調には、70年代に少年だった「Liverpoolのようなチーム」への敬意が込められていた。

    リバプール・エコー紙は、バーンリー戦での「世間の批判への反撃」に焦点を向けた。「スターティング・ラインナップが発表された時、アダム・ララーナの名前を聞いて眉を吊り上げた人は少なくなかった。ふたを開けるとララーナは、マン・オブ・ザ・マッチのパフォーマンスで批判者を黙らせた」。

    これは、先週のマージーサイドダービーで(試合結果は0-0)、得点が必要な場面でララーナをサブに送ったことで、全国メディアから「クロップはネガティブな戦略に走った」と批判されたことを指していた。

    「ここ18か月間、負傷欠場と回復&ぶり返しの日々で、苦戦した。やっと負傷が完治し、試合に出られるようになったことは感激」と、ララーナはマン・オブ・ザ・マッチの表彰式で語った。「でも、今は自分の個人的な感傷よりも、チームのことが重要。これからシーズン終幕に向けて、チームが目標を達成して祝えるように、自分がその一端を担いたい」。

    ララーナを「ゲーム・チェンジャー」と誉めたクロップは、笑顔を浮かべながら、きっぱりと言った。「誰も我々をタイトル争いから追い出すことはできない」。


    プロフィール

    ピーエルエフジェイ

    Author:ピーエルエフジェイ
    平野圭子(ひらのけいこ)
    プレミアリーグ ファングッズ店長です。

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